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世に倦む日日

田中宏和(ブログ「世に倦む日日」執筆者)

田中宏和

「岸田降ろし」の必然 - 岸田政権には支持率を自然回復させる装置がない

■岸田内閣の支持率が下がり続けている。18日に示された毎日新聞の結果は29%だった。次は10月2日にJNNの数字が出る。その次は10月10日にNHKの発表が控えている。NHKの前回の数字は40%だった。おそらく大きく下がるだろう。10月前半の世論は、27日に行われる安倍国葬への評価が反映されたものになる。国民のダブルスコアの多数の反対を押し切って強行される安倍国葬に対して、マスコミが積極的な論評で対応するとは思えない。FNN産経の世論調査(9/20)でも、安倍国葬に賛成が31%、反対が62%だ。(上の写真は FRIDAY) 予定では10月3日に臨時国会が召集され、中旬に集中審議がテレビ中継される。統一教会の問題が槍玉に挙げられ、野党から厳しい追及があるのは必至で、10月後半から11月前半の世論調査に影響するだろう。この頃には円安による物価高の生活直撃も現在より深刻になっていて、政府への批判的世論は厳しさを増しているに違いない。統一教会の問題はかれこれ2か月になるが、一向に沈静化する気配がない。ミヤネ屋は毎日この問題をネタにして放送している。途切れないのは視聴率が取れるからで、視聴者の関心が相変わらず高い証左だと言える。TBS報道特集の検証シリーズも第8弾まで進んだ。 ■マスコミの政治記者の一部に、「岸田内閣は今すぐに倒れる状況にはない。衆院解散・総選挙に踏み切ることもない」と断言する向きがある。「自民党の国会議員が今すぐ倒閣に動く気配はない。『首相降ろし』は国政選挙の直前に吹き荒れるものなのだ」とも言っている。誤った認識と観測なので論評しておきたい。まず、「首相降ろし」が国政選挙の直前に起きるものだという指摘だが、何を根拠に言っているのだろう。1991年の「海部おろし」の経緯を見ても、国政選挙の日程や事情は特に関係していない。政治改革関連法案をめぐっての党内対立と権力闘争の結果起きた政変である。 弱小派閥だったため、簡単に引きずり降ろされた。2000年に起きた「加藤の乱」も同様である。これは失敗した倒閣運動の例だが、加藤紘一と山崎拓らが森政権を倒そうとして中途半端に蹶起し、野中広務の返り討ちに遭って鎮圧された。野党が不信任決議案を出そうとしていた背景があり、それに便乗しての政変ではあったが、別に選挙の日程が決まっていたわけではない。「首相降ろし」と「解散総選挙」は政局としてセットになるケースが多いけれど、それは、降ろされる首相側が権力の延命と打開の手段として「解散総選挙」を使うからで、すなわち能動的で可変的な関係性であって、客観的で固定的な条件ではない。
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