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白坂和哉 DAY WATCH ~突き刺さる政治情報~

白坂和哉(ジャーナリスト・政治系YouTuber)

白坂和哉

『白坂和哉 DAY WATCH ~突き刺さる政治情報~』にようこそ!
 白坂和哉(shirasaka kazuya)です。
 
「独自の視点」による「突き刺さる解説 」をモットーにしています。
最近のメディア、特に新聞やテレビはどれも同じだと思いませんか?

ところが、現在の日本と日本を取り巻く国際社会においては「国家と国民」、「社会と市民」、「企業と個人」の関係性にドラスティックが変化が訪れようとしています。

つまり、現在は「政治の大転換期」なのです。この機会を生かすも殺すも貴方次第!
そのような社会環境の中で政治、経済、社会、ビジネス、そして人々の生き様まで!

貴方の胸に突き刺さる解説、切り口の違う見方、さらに深掘りしたネタを届けます!

タイトル
白坂和哉 DAY WATCH ~突き刺さる政治情報~
価格
550円/月(税込)
発行
毎週火曜日
課金開始月
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白坂和哉 DAY WATCH ~突き刺さる政治情報~

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Title:岸田首相と戦争 岸田政権における戦争の可能性を考える Entry:000011



Introduction:現在、日本が抱える最大の問題とは何でしょう?
それはコロナの蔓延でもなければ、旧統一教会の問題でもありません。
それは以前、このメールマガジン第1回目でも触れた岸田首相が推し進める「防衛3文書」の改定、端的に言えば「日本の軍事大国化」です。

日本はこの30年間まったく経済成長しておらず、国民の給与は横ばい状態どころか実質的に右肩下がりの状況に陥っています。
それはロシアによるウクライナ侵攻に始まった深刻な世界インフレの影響もあり、急激な物価高の波に日本も例外なく飲み込まれているからです。

日本国民が声を上げず、このまま推移すれば近い将来、必ず大増税が待ち構えていますし、それに引きづられる形で消費税も増税されるでしょう。
その時、日本国民の生活は果たして成り立っているでしょうか?
安全保障は重要ですが、現在の状態を放置すれば『軍事栄えて民滅ぶ』状態になるのは間違いありません。

故に、このメールマガジンでは「防衛3文書」の改定を最も警戒すべき政治イシューに挙げているわけです。


◆◆着々と軍事大国への地ならしは進められている◆◆

そんな警戒をよそに、岸田政権は軍事大国化の道を着々と歩んでいるように見えます。
新年早々の1月4日、岸田首相が1月13日にアメリカを訪問し、ホワイトハウスで米バイデン大統領と会談することで調整が進められていることが速報されました。
ホワイトハウスでの日米首脳会談は初めてのことですが、これは何も岸田首相がバイデン大統領を ”表敬訪問” するわけではありません。
岸田首相はバイデン大統領へ、防衛3文書改訂の目途がついたことを「報告」するためにアメリカを訪問するのです。
属国(植民地)の日本が、宗主国に最も重要な安全保障政策の成り行きを報告し、権力者の地位を担保してもらうための、これは言わば ”儀式” です。

それに先立って、林芳正外相が1/4~1/15に日程でメキシコ、エクアドル、ブラジル、アルゼンチン、そして「アメリカ」を訪問することが昨年2022年12月23日の時点で既に報道されています。
さらに、日米の外務・防衛閣僚会合、いわゆる「日米2プラス2」が同じ時期に開催されることも既に昨年の時点で報道されており(2022年12月27日)、最新の報道では1月11日、日本から浜田靖一防衛相、林芳正外相、アメリカからはブリンケン国務長官、オースティン国防長官の出席で開催されることが発表されています。
林外相の訪米といい、日米2プラス2の開催といい、要するにこれらは日米首脳会談の ”露払い” なのです。

岸田首相は1月9日、1/9~1/15の日程でフランス、イタリア、イギリス、カナダ、そして「アメリカ」を歴訪する旅に出発しました。
このように、我々が知らない間に軍事大国化への準備が着々と進められ、気がついた時には後戻りできなくなるわけです。


◆◆台湾との水面下の交渉は既に始まっている◆◆

岸田首相は、2023年度から2027年度までの5年間、防衛費についてGDP比2%、約43兆円を確保する方針を打ち出しています。
これは一重に「台湾有事」に端を発した「米中戦争」を意識したものです。

台湾に対して、日本は「国家」として正式に承認してはおらず、日台両政府は直接的な対話や協議は行っていないことになっています。
これは1972年の「日中国交正常化」の際、日中共同声明で『台湾は(中国)領土の不可分の一部』とする中国の立場を『日本は十分理解し尊重する』と明記したからに他なりません。

これは中国に対する外交上の配慮ですが、ここにきて前提が崩れかかっているのが判明しています。
というのも、日本の政府高官が「自衛隊と台湾軍が直接やりとりできる連絡体制がある」ことを認めたからです。

とはいえ、高レベルの連絡体制というものではなく電話連絡ベースに留まっているものの、自衛隊の中堅幹部クラスが台湾軍とやり取りしているのは事実で、日本国内、台湾、さらにハワイへと場所を変えつつ水面下での協議を重ねている模様です。

これは、日中の外交・安全保障に大きな変化を与える動きであり、例えば、沖縄県出身の参議院議員、伊波洋一氏は1月1日のTwitterに次のようなツイートを投稿しています。


これは1月1日の『琉球新報』の一面に掲載された記事で、防衛相のシンクタンク「防衛研究所」が、中国との長期戦を想定した戦略を2021年度に提言していたことが分かったというもの。
防衛研究所は中国からミサイル攻撃を受けることを前提に、その後は長射程の対艦ミサイルで攻撃し、海上で中国軍を阻止する「統合海洋縦深防衛戦略」を唱え、岸田政権が推し進める「防衛3文書」の改定を先取りした内容になっていると琉球新報は伝えているわけです。


◆◆台湾有事の想定は今に始まったことではない◆◆

岸田首相は防衛3文書の改定を目論み、それは近い将来起こるであろう「台湾有事」を想定したものでした。
しかし、この「台湾有事」の想定については何も今に始まったことではなく、4年も前から脈々と継続してきたことが分かっています。

日本もアメリカに倣って国家安全保障会議(日本版NSC)を置いていますが、2018年10月~12月の間に4回にわたって会合が開かれ、当時の安倍首相の下で議論が進められたのが他でもない「防衛計画大綱」の改定だったわけです。
その時の出席者が当時の安倍首相を始め、麻生太郎副総理兼財務相、菅義偉官房長官、河野太郎外相、そして、岩屋毅防衛相でした。
そして、このNSC会合で切実な課題として議論されていたのが「台湾有事」
特に最も危機感を抱き、この問題にのめり込んでいたのが安倍首相だったのです。

安倍首相の辞任後に政権を引き継いだ菅首相は、2021年4月に米バイデン大統領と首脳会談を行い、共同声明に「台湾海峡の平和と安定の重要性」を明記しました。
これは半世紀ぶりのことです。
その後、米軍と自衛隊が水面下で台湾有事を想定した「日米共同作戦計画」を策定し、日米の役割分担を詳細に詰めた内容は最高機密とされています。
このメールマガジンでも指摘したように、日米間には ”指揮権密約” が交わされており、日本の自衛隊はアメリカの指揮のもとに戦うことが想定されています。
この時の役割分担とは、この密約の確認と指揮権の内容について具体的、かつ詳細に定めたものと推測しています。

安倍晋三氏は2021年12月に「台湾有事は日本有事だ!」と発言し物議を醸しましたが、実は台湾有事への布石は既に打たれた後だったわけです──


◆◆岸田首相に戦争をやる度胸はあるか?◆◆

岸田氏を端的に言い表すと ”毒にも薬にもならぬ政治家” に尽きます。
岸田氏が率いる派閥「岸田派」の源流は、池田勇人によって創設された自民党ハト派の名門、宏池会がベースになっております。
宏池会はハト派の名が示すように、伝統的に軽武装、経済重視を標榜してきた派閥です。
しかしながら岸田氏は、そんな宏池会出身の中にあっても安全保障政策について信念というものにまるで欠けており、発信する言葉に乏しい政治家でした。

そんな岸田氏が豹変したのが2021年3月。「敵基地攻撃能力の保有について発信する」と言い出した──
実際に岸田氏は2021年3月26日、Twitterに『敵のミサイル発射能力そのものを直接打撃し、減衰させることができる能力を保有することが必要』と投稿しています。
岸田氏の心の内には、2021年9月に迫った自民党総裁選の再出馬に向け、イメージチェンジと党内支持の拡大を狙った(特に安倍派=清和会)、岸田氏なりの戦略があったわけです。

このように、これまでの流れを振り返ると安倍晋三氏の影響がないわけがない!
岸田派の幹部が『安倍さんから言われたんですか?』と問い質したところ、言葉を濁しながらも岸田氏は安倍氏の関与を暗に認めました。

「台湾有事」は、4年前の安倍政権下のNSC会合でもしきりに議論され、さらにそれから遡ること2年前に安倍氏は防衛省や外務省、自衛隊幹部らを目の前にして『中国に勝てるのか!?』と発破をかけている。
つまり「台湾有事」、それから派生するであろう「米中戦争」については、その帰趨がどうなるかは全く定かでないにせよ安倍晋三氏によってお膳立てされ、その後の政権も安倍氏の ”呪縛” から全く抜け出せていないのです!

そこまで安倍氏による「台湾有事」の想定は素晴らしいのでしょうか?
筆者には全くそうは思えません。

安倍氏を継承した菅政権はコロナ対策で後手後手となり、安全保障議論をするわけでもなく自壊しましたが、岸田政権下では依然としてコロナの渦中にあるものの、コロナに対する脅威論はひとまず収まっています。
そんな中で威勢のいい防衛論を叫び、「敵基地攻撃能力」を「反撃能力」と言い換えるなどして安全保障の強硬路線を打ち出した岸田首相。

しかし、岸田首相の安全保障政策は自民党総裁選を勝ち抜き、首相となるための戦略の一環でしかなく、そこに岸田首相の考え、想い、信念はありません。
岸田氏は首相になりたいがために、安倍氏の ”戦争ごっこ” に乗っかったとするのは言い過ぎでしょうか?

以上の点から、岸田首相に戦争をやれるほどの度胸はないと考えます。
しかし、宗主国アメリカの命令もあるために防衛3文書の改定は実施され、その後に厳しい増税が待ち受けているでしょう。
東アジアの戦端はすぐに開かれるものではなく、当面は米中の牽制合戦が続きます。
途中、岸田氏の首相辞任劇も起きるかもしれませんが、代わりにK氏やM氏が首相になったとて日本の安全保障政策は何ら変わることはない。
その間、日本国民の暮らしは度重なる増税により確実に疲弊してゆくでしょう。
『軍事栄えて民滅ぶ』──いつの時代でも、苦しむのは市井の一般国民です。


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