… … …(記事全文6,686文字)皇室典範は世襲の趣旨に反する養子縁組を禁止している。皇位継承問題協議に、皇室に血族がいる者が直接関わり「象徴天皇制」を軽視して「まかりならぬ」とマウントをとろうとする。これこそ「まかりならぬ」
◆〔特別情報1〕
皇位継承問題に関する与野党協議で積み上げられてきたものが、いきなりここへきて「まかりならない」という言葉で否定された。否定したのは、自民党の麻生太郎最高顧問である。
朝日新聞は5日、「皇族数の確保策、『養子案の棚上げはまかりならない』 麻生氏が訴え」という見出しをつけて次のように報道した。
「安定的な皇位継承に関する与野党協議をめぐり、自民党の麻生太郎最高顧問は5日、皇族数確保策として戦後に皇籍離脱した旧11宮家の男系男子を養子に迎える案について『多くの党が支持している養子縁組案を棚に上げ、取りまとめが行われることは不自然で、まかりならない』と訴えた。
都内で開かれた麻生派の非公開の会合後、事務局長の井上信治衆院議員が記者団に明かした。
これまでの与野党協議で、養子案には自民、日本維新の会、公明党、国民民主党が賛同。一方で立憲民主党は慎重姿勢だった。立憲の野田佳彦代表は麻生氏との水面下の交渉で、養子案を時限付きで容認する意向も示したが、合意には至っていない」
「まかりならない」とは、「許されない」という強い否定的な意味で使われる慣用句である。つまり麻生は、皇位継承問題をめぐる与野党協議の進捗状況について「許されない」という意味で否定したことになる。こうなってくると完全に結論ありき、問答無用、協議の余地なしということになってくる。
ところで麻生がいうところの「許されない」、これを能動する立場、つまり「許さない」主体は一体誰のことを指しているのか。麻生なのか、麻生に賛同する政党なのか、はたまた皇室なのか。そもそも、現在の天皇制は日本国憲法第1条において、「天皇は、日本国の象徴であり日本国民統合の象徴であって、この地位は、主権の存する日本国民の総意に基づく」と明確に規定されている。このことを軽んじてはならない。つまり「許す、許さない」を決めるのは、「主権の存する日本国民」ということになるのだ。しかも、その皇位は憲法第2条「皇位は、世襲のものであって、国会の議決した皇室典範の定めるところにより、これを継承する」とされている。
まるで麻生の「鶴の一声」でちゃぶ台がひっくり返されマウントをとられたような流れになっているが、実は同じような「ちゃぶ台返し」が、過去にも起きていた。2006年の秋篠宮の紀子妃第3子懐妊のときである。自民党内部に精通する事情通からも重要な話を聞いた。以下、特別情報である。
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