Foomii(フーミー)

世に倦む日日

田中宏和(ブログ「世に倦む日日」執筆者)

田中宏和

感染爆発には棄民政策で対応 - 上級に必要な医療を提供、下級は入院制限する

新型コロナの中等症患者を原則「自宅療養」に切り換える方針転換が発表され、今週はこの問題で論議が沸騰、国会でも攻防が続いている。政府はこの入院制限措置の目的を、重症患者や重症者リスクの高い患者を入院させるためだと説明し、具体的な入院基準については自治体に判断を任せるとした。デルタ株の猛威で感染拡大が空前の規模になり、東京で自宅療養者数が3万人になるという予測の下で、何がしかの医療体制上の対応を迫られての決定だが、最悪で背筋も凍る棄民内容だと言える。いよいよ、本当に深刻な大災害 - 人災だが - が襲来するところとなり、庶民は身の危険に迫られる事態となった。 私自身もそうだし、ブログの読者の少なくない部分(64歳以下の未接種者)が同様のはずで、自分と家族の命をどう守るか恐怖と懊悩の気分だろう。まるでナチス侵攻直前のベルギーのユダヤ人みたいな心境だ。おそらく1か月半後には事態は好転している。だが、9月中旬までの間、感染せずに無事いられるかどうか。ワクチン接種で身の安全を得られるかどうか、感染したときはどう生き延びるか、個々が一日一日死力を尽くさないといけない。 菅義偉はこの方針転換について、「国民の命と健康を守るためのぽ措置として、必要な医療を受けられるようにするため」だと理由づけし、決定を正当化している。だが、5ch等ネットですぐさま反発と暴露が上がったように、この「国民」は上級国民の意味であり、上級の身分と階層の者に限定されている。それが真実だ。縁故や人脈や金銭や地位などの資源を持った患者が入院治療へとセレクトされ、持ってない者が病床へのアクセスを拒絶される。実際に、このことは4月から5月の大阪と兵庫で起きた。NHKやTBSが報道した神戸の悲劇を覚えている者は多いだろう。 「病院の廊下の隅っこでもいいから、どうぞ息子を入院させてやってください」。そう母親に土下座され、拝むように両手を合わされたけれど、訪問看護師はどうしようもなかったと取材に応えて証言した。大阪では連日50人が死亡した。こうして善良な庶民が治療から排除されて次々と死に追いやれ、その一方、維新の府議たちは優先入院の特権を享受していた。保健所に圧力がかかっていたという報道もある。維新の諸議員や石原伸晃は「医師の判断に基づいて」入院が決まっていた。
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