ウェブで読む(推奨):https://foomii.com/00171/2021042918000078754 ///////////////////////////////////////////////////// ☆適菜収のメールマガジン☆ 【号外】 2021年4月29日配信 ///////////////////////////////////////////////////// このメルマガは「適菜収のメールマガジン」の【号外】です。 【号外】は無料です。本メルマガに登録いただけるとありがたいです。 ■音楽対談について━━━━━━━━━━━━━━ 無料の【号外】では、いろいろ告知等をしていく予定ですが、以前、ミュージシャンの山田大介氏と行った対談をしばらく載せてみることにしました。もう10年前の対談ですが。 そうすることになった経緯についてはこちらを。→ https://bit.ly/2ZfEwGg ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ ■■■■適菜収のバンド入門■■■■ トーキング・ヘッズとディスコサウンド ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ 適菜 こちらはマシュマロさんからのメールの質問。 「こんにちは。普段はロックやソウルのレコードを集めています。80年代の音楽を聴くとシンセやリバーブの技術が向上することで音楽性まで変化して、それがCDの時代にマッチしたのかと思いますが、嫌いな人もいるようですね。適菜さんはどう思われますか? これからも連載応援します」 山田 オレは最近よくレコードを買っているんだけど、80年代のレコードはたいてい安くなっているね。 適菜 あの80年代の独特の音は何なんだろう? 山田 まず音質がよくない。ハイファイなんだけど軽いというか。あの当時はソニー・ロリンズもどうでもいいようなレコードをたくさん出している。 適菜 ジャズだけではなくて、ソウルやファンクも音質が変わった。 山田 ディスコなんかもそうだよね。 適菜 アース・ウインド&ファイアーが80年代に出したレコードなんて、ほとんど別バンドですよ。 山田 どんどんレコードジャケットから人数が減っていったり。キャメオもそう。最初は10人くらいいたのに、80年代に入ると4人になった。リズムも打ち込みになったり。人件費の問題かな。 適菜 ザップのロジャー・トラウトマンみたいな。あの音はしっくりこなかったな。 山田 ドラムが4つ打ちだったり。跳ねないビートというか。あれは、ディスコでかけても不思議ではないファンクですね。 適菜 ああいう音も再評価されるんでしょうけど。 山田 実際、今、再評価されているよ。ニューウェイブとかね。ちょっと屈折した若者がトーキング・ヘッズを聴いていたり。 適菜 あの当時、トーキング・ヘッズの扱いってどんな感じだったんですか? 山田 あれは、ノー・ニューヨークの残党がやっているインテリのポップグループでしょう。 適菜 バニー・ウォーレルが参加していたりね。 山田 ボトムがアフリカで頭はクールというのが流行ったんですよ。デヴィッド・バーンみたいなインテリが考える音楽。 適菜 そこがしっくりこない原因か。 山田 白鳥理論というかさ。水面下では必死なんだけど、涼しい顔をしているという売り出し方だよね。 適菜 80年代的な商売。 山田 モノを売るのは大変だからね。最近、若い奴からゲート・リバーブという言葉を聞いて驚いたんだけど。あの当時のスネアの音ですよね。 適菜 デジタル的なミュート処理か。 山田 オレはあのサウンドが嫌いで、先祖がえりしたからね。「ニューウェイブの音は聴いていられない」と。でも、あの軽いスネアの音が若い奴には新鮮なんだって。 適菜 ヒューイ・ルイス&ザ・ニュースみたいなスネアの音。 山田 ギターの音も必ずコーラスがかかっている。オレはMTVで散々聴かされて嫌になった。イエスでさえ80年代はあんな音でしょ。「本当にこれイエスかよ」と思ったもの。小林克也さんには悪いけど、お世辞にもいいサウンドとは思えなかった。 適菜 でも、あの時代にみんなああいう音に向かったということは、「これはいい」と思ったのかな? 山田 ロキシー・ミュージックとかねえ。あの時代は新しかったんだろうな。「よし、これで行こう」と。 適菜 本当に「この音がいい」と思ったのか、商業的な成功を重視したのか、そこが分からないところがある。 山田 アメリカではあの手のサウンドが売れたらしいからね。 適菜 機会があったら、モーリス・ホワイトに訊いてみたい。 山田 白人層を取り込むために、ファンクの枠組を外したんだろうな。 適菜 その前提として70年代後半にロックやソウルやファンク、ジャズも含めて失速していくという状況があるわけだけど。 山田 ニュー・ソウルも死んだしね。ヴァン・マッコイ系のディスコサウンドになってしまった。 適菜 目聡い奴は、あのスネアの音でもう一回稼ごうとしているけどね。 (追記)ザップとか、あらためて聴きなおすと意外によかったりもしますが……。 【メルマガ登録よろしくお願いします】 通常版 https://foomii.com/reader/check/00171 支援版 https://foomii.com/reader/check/00172 内容の説明とサンプル、無料号外はコチラ http://foomii.com/00171 なお、通常版と支援版の内容は同じです。 よろしくお願いします。 ■メルマガ購読者の声━━━━━━━━━━ (青木郁弥) 山田氏との対談、やっぱりキレがあって面白いです。動画を貼って頂いたパーラメント、対談の中で出てきたアート・リンゼイがすごく良かったです。 -=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=- (エッカーマン) 適菜さんの『バカを治す』を読んで、スリッパで頭を叩かれたような衝撃を受け、そして大ファンになりました。これからもメルマガでいろいろと学ばさせていただきたいです。宜しくお願いします。 -=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=- (東丈) やはり適菜さんの文章は波長が合うのか面白い。 これからも期待しています。 -=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=- (ぎゃー) 私もテレビの笑い声には違和感があったので、なるほどと思うと同時に、全体主義につながるという視点は勉強になりました。これからも楽しみにしています。 今回も号外楽しく読ませていただきました。ミック・ジャガーがジョギングしていたとは知りませんでした。ステージでの運動量を考えたら納得です。ヨタ話とおっしゃいますが私には含蓄に富んだ内容でした。ストーンズ好きなので余計です。ライブ映像を見ていると、肝心な所で演奏がめちゃくちゃになるところが笑えます。 -=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=- (P外科医) メルマガを楽しみに購読させて頂いています。 『キリスト教は邪教です!』を拝読して以来、先生の著書はほぼ読破致しました。 先生の影響で、ニーチェ、ゲーテの主要な著書を繰り返し読み、三島由紀夫、小林秀雄、ハンナ・アレント、オルテガらの著書にも挑戦予定です。また、箸の使い方、読書の仕方、世の中の見方に関しても、先生の著書を通じて多大な影響を受けました。ありがとうございます。 メルマガ登録をさせていただきました。これから、楽しみにしております。 -=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=- (rainbowman) メルマガ大変面白かったです。 世の中、スポーツ馬鹿が多くて、嫌になります。 オリンピックを否定したり、野球を否定したりしたら、ものすごい勢いで反論されます。 また、そういう奴は、すぐに「感動した!」とスポーツを見て感動してるみたいです。 久しぶりに、ギター弾きたくなりました。 これからも楽しみにしてます! -=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=- (G) 今回の号外かなり笑いました。一億総ギタリストですか。なんか楽しそうで賛成です。 私は、学生の頃にギターを始めてもう20年、今も家で弾いていますが、練習が嫌いだからほとんど指が動かないし、理論もわかりません。それでも弾けない人からは「楽器ができる人は尊敬する」とか無駄に褒められたりします。 やはりこれからの日本はこんなことではいけないと思います。 メジャーセブンスの響きが苦手だったのですが、適菜さんのおすすめユーチューブをきっかけに少しずつそっち方面への興味が出てきました。オリジナルラブのベスト盤を中古で買って聴いています。 -=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=- (円太) 適菜さんの本はまだ4冊しか読んでいませんが、メルマガが始まると知り、勢いで登録しました。自分にとっては初めてのメルマガです。腑に落ちる話や学べるところが多く、本当に良かったと思っています。 今回の旅のテーマソングという話もすごくよくわかります。自分も10年ほど前にスペインの東側を縦断しましたが、その時のテーマアルバムはLoveのForever Changesでした。幹線道路で見かける廃墟のある乾いた景色と、あのアルバムの音とタイトルが自分の中で一致したんだと思います。 //////////////////////////////////////////////////////////////// 本ウェブマガジンに対するご意見、ご感想は、このメール宛に返信をお願いいたします。 //////////////////////////////////////////////////////////////// ■ ウェブマガジンの購読や課金に関するお問い合わせはこちら info@foomii.com ■ 配信停止はこちらから:https://foomii.com/mypage/ //////////////////////////////////////////////////////////////// 著者:適菜収(作家) ウェブサイト :http://tekina.starfree.jp/ Twitter : https://twitter.com/tekina_osamu Facebook : https://www.facebook.com/profile.php?id=100004585838188 ////////////////////////////////////////////////////////////////
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