… … …(記事全文2,523文字)
さて、前回の続きです。
言うことなしのいい男、I君に告白された私ですが、以下の理由からお断りしました(実際には恋愛関係のことを口に出すことさえ恥ずかしいシャイな性格のため、ごめんなさいとさえ言えず、どうか察してくださいというサインを送りました)。
・そのころ、生涯の相棒となる男性とつきあっていたこと。
・お見合いのお断りの常套句である「私にはあなたはもったいない方です」を、本当にそう思ったこと。
・私はどんなに素敵な男性であっても、私と同様に心に病を抱えている人物でないと惹かれないこと(相棒がそうです)。
心に病的な部分がまったくない人などないと思いますが、私の基準はかなりハードルが高く、自分と同じくらい病んでいないと惹かれません。
またそういう人でないと私の、たとえば脅迫神経症的に戸締りや火の元、水道の蛇口のチェックを何回も何回も繰り返すことを理解してくれないだろうということです。
もし心に病を抱えていない男性に気をつかい、それらのチェックを1回だけ済ませて外出するとしたら、私は途中で頭が変になりそうになるか、何か理由を作って帰宅してもう1回確認するでしょう。
こういうふうに心の病を抱えている人が心の病を抱えている異性に惹かれるとか、カップルになることについて、当時お世話になっていた精神科医の木村敏先生(京都大学名誉教授)から、「病気が病気を呼ぶんだ」と言われ、精神科医の間では常識だとのことでした。
これも前々回に話題にした、アソータティブ・メイティング、つまり似た者同士が惹かれあう現象の1例です(あのとき打ちミスでアソータディブとなっていましたが、アソータティブです。お詫びして訂正します)。
余談となりますが、私がこれまでに異性として狂おしいまでに魅力的に感じた俳優さんと有名人が三人いて、以下の方です。
まずは森雅之さん。
黒沢映画の「羅生門」で三船敏郎さん演ずる野獣のような男に妻をおかされてしまうひ弱な武士役の俳優さん。
お父さんは小説家の有島武郎氏です。
次は音楽家の芥川也寸志さん。
言わずと知れた芥川龍之介氏の息子さん。
一時、草笛光子さんと結婚しておられました。
そして竹脇無我さんです。
主にテレビドラマで活躍。
「親父太鼓」「二人の世界」「大岡越前」「岸辺のアルバム」などが代表作。
お父さんはアナウンサーの竹脇昌作氏。
この3人には共通点があり、それは父親が30~40代で自死していることです(有島氏の場合は心中)。
つまり父親が自死を選んでしまうほど、心の病の要素が多分にあり、息子もその性質をある程度受け継いでいるであろうということです。
実際、竹脇無我さんの場合は長らく鬱病を患い、俳優業を休業していました。
私はこれらの3方に面識はありません。
単に映画やドラマ、テレビに出演されたときの様子からだけで心の病の程度を感じ取ることができたのです。
そして私がI君をお断りした最後の理由は、
・仮に私がI君とお付き合いをしたとしたら、KさんとY子さんに呪い殺されるだろうということです。
しかし、超モテ男I君がなんで私なんかを好いてくれたのだろう。
不思議だ。
でも私にあってKさん、Y子さんにないものとは何かと考えればいい。

購読するとすべてのコメントが読み放題!
購読申込はこちら
購読中の方は、こちらからログイン