… … …(記事全文3,121文字)数日前、X(旧ツイッター)に面白張り紙として以下のようなものが紹介され、大反響を呼んでいた。
「この度、身内がノーベル医学賞を受賞しました。授賞式に出席するため12月5日から13日までスウェーデンのストックホルムに行って参ります」「その間休診とさせていただきます」「ご迷惑をおかけしますが何卒よろしくお願い申し上げます」
というものだ。
名古屋市北区の大曽根商店街にある「すみれ野眼科」の入り口に貼られた休診案内の写真である。
今年のノーベル生理学・医学賞なのだから、大阪大学栄誉教授で京都大学名誉教授の坂口志文先生のお身内しか考えられない。
坂口先生は過剰な免疫反応を抑える制御性T細胞の発見とその意義についての研究で受賞されており、さすがは先生のお身内にも医療に関わる方がいらっしゃるのだなと思った。
そうして昨日、地元テレビ局のニュースをYouTubeで見ることで坂口先生のお身内で眼科医の方の〝正体〟を知ることとなった。
坂口先生の奥様で皮膚科医の教子(のりこ)さんの姉、加藤素子(もとこ)さんであった。
坂口先生は1977年から愛知県がんセンター研究所の研究生となり、名古屋市立大の医学生として病院実習に来ていた教子さんと知り合い結婚した。
教子さんの印象を、知的好奇心や研究に対する情熱が特別強い人という意味のことを先生は語っていた。
ともあれ、坂口先生と教子夫人は事実上の共同研究者だった。
そのような経緯をよく知っている、眼科医素子先生としては今回のノーベル賞の受賞は、単なる身内の受賞には留まらない喜びであったに違いない。

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