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最近受けたインタビューで、モテない男がモテないという現実を知っていたうえで開き直ってしまったとき、たとえば自分を他より優位に立たせるとか、男の魅力を演出するホルモンである、テストステロンのレヴェルは上がるのか。
スポーツ試合に勝ったとき、プレイヤーもそのチームをひいきにしている観客もテストステロンレヴェルがあがるが、単に虚勢を張ったとしても同じなのだろうか。
私が著書の中で、モテなくとも、モテる男をひがんで「どうせ自分は」と暗く落ち込むよりは明るく振る舞うとか、下手でもいいからジョークを言って女性を笑わすほうが女性にモテる可能性が高まるはずだと言っているが、本当か、などということを聞かれた。
後者については経験からそう言えるのだが、前者の、本当は大して実力がないのに開き直り、自分は優位者だ、モテるんだと虚勢を張ったとすると、そのことにより本当に効果があるのか。
またそのような実力以上のことをすると、得てしてケガをするなど、不都合なことも起こりうるわけだが、大丈夫なのか。
それらの点について、まさしくそのような観点から研究した例があるので紹介したい。
アメリカ、コロンビア大学のⅮ・R・カーニーらによれば、被験者(男女混合)をハイパワーポーズをとるグループとロウパワーポーズをとるグループに分ける。
ハイパワーポーズとは、椅子に腰かけ、靴を履いた足を机の上に乗せ、踏ん反り返り、肘を曲げ、手を頭の後に添えるポーズと、立ち上がり、両腕を広げ、机の上にバンと逆V字型に広げるポーズだ。
アメリカのドラマや映画で職場のボスがよく行うポーズで、自分の可動域をできるだけ大きくとり、自分を大きく見せることができる。
ロウパワーポーズはそれとは逆に、椅子に座り、肩をすぼめ、両腕を体に巻き付けるのと、立ったまま同じく両腕を体に巻き付けるポーズ。
自分の可動域をできるだけ狭くし、自分を小さく見せるという意味である。
ハイパワーポーズ2種、ロウパワーポーズ2種、それぞれ1分間にわたりとらせ、17分後にだ液を採取。
テストステロンレヴェルと、ストレスホルモンであるコルチゾールのレヴェルを測る。
すると、ハイパワーポーズのグループの場合にはテストステロンレヴェルが平均で19%増加、コルチゾールレヴェルが平均で25%減、ロウパワーポーズのグループの場合にはテストステロンレヴェルが10%減、コルチゾールレヴェルが17%増加した。

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