… … …(記事全文4,164文字)アメリカでは、公立学校の選択制(Public School Choice)という制度が始まっている。なぜ、このような制度が必要となったのか?具体的に、どのような制度なのか?日本で、この制度は参考になりうるのか?などについて話してみたい。
伝統的なアメリカの公立教育システムは、日本と同じように住んでいる場所によって通う学校が決まる学区制だった。
しかし、日本とは大きな違いがあった。
まず、アメリカの公立学校の予算は主に地域の不動産税で賄われている。
その結果、日本では信じられない話だが、貧困層のエリアと富裕層が住むエリアでは教育に大きな差がでていたのだ。
貧困層のエリアは予算不足で校舎も荒廃し、富裕層の住むエリアは予算が潤沢で教育の質が高かった。
質の高い教育を受けるには高い家賃を払って良い学区に住むしかなく、低所得層の子供たちは劣悪な環境の学校に行くしか選択の余地はなかった。アメリカの富裕層エリア(アッパーミドルクラス以上が住む地域)の公立学校は、日本の一般的な公立校のイメージとはかけ離れており、設備・カリキュラム・進学実績のすべてにおいて「日本の有名私立進学校」を凌駕するケースが多々ある。全米トップクラスの公立校(通称:ブルーリボン校)では、日本の私立高校以上の環境が当たり前のように整っている。
例えばオリンピックサイズのプール(50mプールだが水深2m~3m)、本格的な劇場、最新鋭の科学実験室などは当然のごとく完備され、部活動にも専属のコーチが複数人いたり、全米大会レベルのオーケストラ部など、課外活動への予算投入も桁違いだ。iPadやChromebookが一人一台配布されるのも当然の状況だ。Jericho Senior High School(ニューヨーク州)
Adlai E. Stevenson High School(イリノイ州)
Adlai E. Stevenson High Schoolのウェルネスセンター
※ウェルネスセンター:健康サポート増進センターという運動できる施設
以上の写真は、アメリカの富裕層が住むエリアの公立学校だ。
もう一度言う、公立学校だ。
しかも学費無料。
予算が豊富なので、設備だけでなく、高校にいながら大学レベルの授業を受けられる制度も充実しており、優秀な生徒は卒業までに大学1年分の単位を稼いでしまう生徒もいる。その他にも、ロボット工学やデータサイエンス、バイオテクノロジーなど、日本の私立校でも珍しい専門科目が公立校で身につく。
また、予算があるため教員を多く雇うことができ、1クラスの人数を抑えた手厚い指導が可能だ。
よくXの動画などで時計も読めない高校生や大学生が映る映像があるが、彼らはおそらく貧困層の公立高校出身者で、これらの富裕層エリアの教育体制の充実した公立高校の生徒ではないはずだ。
これらの学校は、少なくとも年収$150,000 〜 $250,000(日本円で年収約2,250万円 〜 3,750万円)ほどのアッパーミドルクラスの家庭の子供が住むエリアにある公立学校だ。日本では年収1,200万円 〜 2,000万円ほどの家庭に相当する。
ここから先、この絶望的な格差を打破するために始まった「教育革命」の裏側と、それが日本の公教育に投げかける衝撃の示唆を深掘りする。
「国に押し付けられる教育」から「国民が選ぶ教育」へ。
LGBT教育や多文化共生思想の押し付けなど日本の公立中学が抱えるミスマッチを解消する、具体的な処方箋とは何か?
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