… … …(記事全文3,369文字)AI戦争という言葉を、単なる比喩ではなく、現実の分断線として捉え直す時が来ている。これまで語られてきた安全保障の議論に、いまや新しい地政学的な奥行きが加わりつつあるのだ。
まず出発点として、パックスシリカという概念を確認しておこう。
これは半導体をめぐる有志連合であり、建前上はあくまで任意の枠組みだ。しかし、その実態は「中国との二股は許さない」という踏み絵に近い。
そして、この半導体同盟と並行する形で、レアアースやレアメタルといった資源同盟、さらにはエネルギー同盟が存在し、これらは最終的に一つの大きな塊へと収斂していく。つまり、これは形を変えた新しい東西分断の再来なのだ。歴史を振り返ってみよう。
かつて冷戦期には、COCOM(対共産圏輸出統制委員会)という枠組みが存在した。西側諸国が結束し、共産圏への戦略物資や先端技術の流出を防ぐための仕組みだった。
しかし冷戦が終結すると、この統制は必要性を失ったとみなされ、ワッセナーアレンジメントという緩やかな有志同盟へと置き換えられていった。
法的拘束力を欠くこの枠組みのもとで、輸出管理は年を追うごとに骨抜きにされ、中国のWTO加盟という時代の空気も、その骨抜きの緩みを後押ししていった。
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