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「民主主義国家」(?)の強引な勝利と「プランB」の最新情報~モルドバ議会選挙2025

長めの一時帰国も終わり、現在モスクワに戻って参りました。北京で10時間のトランジットを経てのモスクワ到着でしたが、一部で噂されているような入国審査での問題も全くなくスムーズに帰途につくことが出来ました。しかし北京空港到着後のトランジット旅客向けの持ち物・身体検査には毎度辟易とさせられます…。ライターは必ず没収され、更に持ち物は徹底的に検査されるのですが、小銭がポーチに入っていると中身を全て籠に出してから再検査されるのです。キチンと財布にしまっていれば問題は無いのかもしれませんが、周囲に人がいる中で自分の持ち物を全てさらけ出すというのは、どこか恥部をさらけ出すような感覚に陥ってしまいます…。ソ連時代を若干ながら経験した自分としては、ライターはどこかで転売でもしているのだろうか?などと考えてしまいますが、中国の検査官は不思議とお金には全く手を付ける様子が無く、関心がないようにみえる点が、同じ共産国でも違いを感じています。ただ共産国ソ連がロシアに代わってから住み着いている身としては、昔にタイムスリップした感覚に陥る中国は、やはり苦手です・・・。

 

 さて、前回はポーランドへの国籍不明のドローンによる攻撃について、そしてモルドバを中心に今後展開が予測される「プランB」についてお伝えしました。そのモルドバで9月28日に議会選挙が実施されました。ここでマイア・サンドゥ大統領率いる与党「行動連帯党(PAS)」が勝利するか否かが、モルドバ、ひいてはウクライナ戦争の今後を占う際に重要な要素の一つとなりますので、その結果に私は非常に注目していました。結論から言えば、予想通り、独裁化したサンドゥ政権の行政資源を駆使した選挙活動により、民意に反して「悪い道」が選択されてしまったようです・・・。

 

モルドバ議会選挙の結果

 前回お伝えしました様に、事前の大方の予想では、政権与党「行動連帯党(PAS)」の支持率は低迷しており、劣勢に立たされていました。「PAS」は親欧州派で、将来的なEU加盟を公約に掲げており、2028年までの加盟を目指しています。しかし「自由で開けた」EUへの加盟を目指すサンドゥ政権は、EU委員会の指示に従う依存政策のみ優先し続けたため、経済状況は悪化。多くの国民はこれに不満を募らせ、社会党の党首イーゴリ・ドドン前大統領が(※写真左側)率いる野党連合「愛国ブロック」を支持する国民が増加してきていました。

 その結果、選挙前に実施された幾つかの世論調査では、「愛国ブロック」を支持する声が30%台、一方与党「PAS」を支持する声は10~20%台という結果が出ていました。普通の民主主義国家であれば、余程の事が起きない限り、事前の世論調査結果が選挙に反映するものですが、モルドバでは2024年にサンドゥ大統領が再選を果たした大統領選挙、そして同時に実施されたEU加盟の賛否を問う国民投票と、全く同じ結果が出てしまったのです。

 リア・ノーボスチは10月5日、モルドバ中央選挙管理委員会のアンジェラ・カラマン委員長が(Anzhela Karaman※写真)、今回の議会選挙の最終投票率は郵便投票者も含め52.24%だったと発表したと報じました。

  カラマン委員長と言えば、以前Youtubeチャンネルでもお伝えしましたが、選挙前の7月30日、候補者達を前に「モルドバは既にEU加盟に一歩近づいています。ですから、フランスのような国がモルドバの選挙に干渉することは、外部からの干渉とはみなされません。例え政治勢力への直接的な資金提供であっても、我々はこれを選挙不正とは考えていません」と堂々と発言していた人物です。中央選管の委員長が、フランスなど西側諸国の選挙介入は合法とし、ロシアなどサンドゥ現政権にとっての敵対国の介入は違法との独自のルールを押し付けた訳です。ですので2か月前のこの発言があった時点で、既に今回の選挙の結果は分かっていたとも言えると思います。

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