… … …(記事全文7,490文字)戦争終結宣言!
米国とイスラエルによるイランへの攻撃から63日目となる5月1日、トランプ大統領は、この軍事行動の終結を宣言する書簡を米国の上下両院議長へ送付しました。通達を受け取ったのは、共和党のマイク・ジョンソン下院議長と、同じく共和党のチャールズ・グラスリー上院暫定議長でした。
1973年に米国で制定された「戦争権限法」によれば、議会の承認無しで大統領が自国軍隊の指揮を取れるのは60日間と定められています。今回のイランへの攻撃開始は2月28日でしたので、その日からカウントすると4月28日が期限となります。米国大統領は同時に、議会に戦争開始を通達する義務が課せられていますが、今回の「エピック・フューリー」作戦を議会に通達したのが3日遅れの3月2日だったため、5月1日が期限となった模様ことです。
米国の一部メディアが報じたところでは、この通達には以下の様に記載されてます:
「イラン政権に対する米国の作戦は成功を収め、恒久的な平和を確保するための努力が継続されているものの、米国および米軍に及ぼすイランの脅威は依然として重大である」
「米軍は成功を収めたが、イランの脅威はまだ排除されていない」と矛盾する内容を綴っています。ということは、トランプ大統領は本気で戦争終結を宣言しているのではなく、法的ルールを守るため宣言した、つまり国内の議会対策の一環として宣言したのかもしれません。トランプ大統領は、4月7日(8日?)からの停戦開始を強調し「この期間中、両陣営間の銃撃戦は一度も記録されておらず、2月28日に始まったこの紛争は終結したとみなせる」と語っています。
今後の戦争継続には、議会の承認が必要となりますが、イランとの勝利を賭けた“外交交渉”は今も継続中です。議会では数多くの民主党議員や共和党議員までもが、この戦争に反対する声をあげていることから、おそらく議会は戦争継続を承認しないでしょう。
ですので、トランプ大統領は、議会の否決を回避するため、“一旦この戦争を終結”させ、今後の交渉如何では、再び独断で戦争を開始するという戦略なのかもしれません。戦争省は予想通り、現在の停戦期間を戦闘行為期間としてカウントしない、という論理を主張しています。ということは、やはりトランプ政権はまだこの戦争を止める気はないと言えるのかもしれません。これに対し議会側は今後トランプ政権に対し訴訟を起こすとも言われています。
因みに最近、現時点でイラン戦争を止めることは中間選挙で不利に作用するため、トランプ政権は11月の選挙前までこの戦争を引っ張り、選挙が近づいてから“勝利宣言”を声高にアピールすることで、この事態を挽回するのではないか?との見立ても出ています。
イランとの交渉
この“終結宣言”を背景に、トランプ政権は仲介国パキスタンを通じて、現在もイランとの交渉を継続しています。イランの国営タスニム通信が3日に報じたところでは、イランはパキスタンの仲介者を通じて、米国が提示した9項目の案に対し、戦争終結を中心とした14項目からなる回答を提出したとのことです(※写真)。
イラン側の14項目の回答には、武力不行使の保証、イラン周辺地域からの米軍撤退、海上封鎖の解除、イランの凍結資産の解除、賠償金支払い、制裁解除、レバノンを含む全ての戦線における敵対行為の終結、ホルムズ海峡情勢を調整するための新たなメカニズムの提案等が含まれているとのことです。
タスニム通信によれば、米国側は提案の中で2ヶ月間の停戦を求めているとのことですが、一方のイラン側は停戦期間の延長ではなく、30日以内に全ての問題を解決し終戦に向け注力すべきだと強調したとのことです。



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