Foomii(フーミー)

宮澤博行の政界・一刀両断

宮澤博行(政治評論家・元衆議院議員)

宮澤博行

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 安倍晋三元首相が暗殺されたのは、2022年7月8日(金)、参議院議員選挙の最終盤の頃であった。私は選挙応援で山梨県内のオートバイ販売店をレンタカーで訪問している最中で、昼食に立ち寄ったうどん店でそのニュースに接した。

 確かに驚いた。確かに許せない事件だ。しかし、何か「自立しなさい」という大いなるメッセージのようなものを瞬時に感じた。

 それ以来、日本の政治は漂流を始め、迷走し、崩壊しつつあるように思う。それは安倍晋三という、保守派にとっての羅針盤、リベラル派にとっての対立軸を失ったからだけではない。その時までに、自民党のみならず、公明党、立憲民主党、国民民主党の全てが支援団体に縛られて自己主張を失い、出世や保身のために党組織の抑圧を甘んじて受け入れ、官庁からも見事に操られる状態になってしまっていたからだ。今日の政治の有り様はその弊害が噴出した結果である。

 菅内閣は、たった一年で、携帯電話料金引き下げ、温室効果ガス削減、デジタル改革、不妊治療の保険適用など、数々の実績を上げたものの支持率は急落し短命に終わった。ひとえにスピーチ力に欠け国民の心を掴めなかったからだ。

 岸田内閣では、スピーチ力の欠如に加え政策実現のプロセスか強引すぎた。防衛力増強については一年程度かけてじっくりと議論したにもかかわらず、防衛増税は官邸から方針が出てわずか2週間で決めさせられ、それに付和雷同する議員が続出した。LBGTについても、広島サミットを前にして突然出てきて短期間で決めさせられた。自民党内にも世論にも深い分断を生じさせたのは、本当に不幸な結末であった。

 そして、石破内閣は何も決められずに終わった。

 さあ、高市内閣は、何を決め、何を進め、何をつくるのか。少数与党という現実の中で、国民を味方につけて正面突破するのか、野党の要求を呑みつつ漸進するのか。あの閣僚メンバーでどのような振る舞いが予想されるのか。高い支持率の発進となったが、批判も多く聞く。まさに期待と不安の入り混じった現状である。

 ここ近年の日本政治をあえて一言で表現するなら「政治家の劣化」である。

 なぜそのようになるのか?このままで良いのか?

 国政を経験した者として、このWebマガジンを通じて、原因の分析と解決策の提示を試みていきたい。普段のSNSやYouTubeでは語れないような、きわどい人物評や政策評価にも踏み込んでいく。どうか末永くお付き合いくださいますよう、よろしくお願いいたします。

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