Foomii(フーミー)

世に倦む日日

田中宏和(ブログ「世に倦む日日」執筆者)

田中宏和

なぜPCR検査は増えないのか - 「基本方針」は誰がいつ決めたのか

25日に発表された政府の「基本方針」が、わずか1日で崩れ始めた。全国一律の自粛要請は行わないとしていた興行規制策が、「大規模なスポーツや文化イベントなどについて、今後2週間程度、中止か延期、または規模を縮小するよう要請」に変わり、Jリーグやプロ野球が試合延期や無観客試合を決めて発表、歌手の公演も相次いで中止になった。大相撲春場所も中止か無観客になるだろう。PCR検査についても、国会質疑で追及され、重症者の確定診断のためだけに使うとした方針が世論の批判を浴びて揺らぎ始めた。 実際に政府が民間企業に門戸開放してPCR検査を増やすかどうかは不明だが、少なくとも口先のタテマエベースでは検査拡大が正論になり、検査不要論は後退した感がある。検査不要論を唱えていた御用医師たちが立場が悪くなって転向を始めた。昨夜26日に報道1930に出演した久住英二が、検査のパイを拡大すべしと言ったのには驚かされた。検査無意味論の急先鋒だった男が舌の根も乾かぬうちに。 テレビ報道での暴露や国会での野党の追及により、1日3800件と言っていた検査能力が真っ赤な嘘で1日900件しか検査してないこと、相談センターに市民が電話してもたらい回しされ、保健所-自治体-厚労省の窓口が検査を拒否している実態も明らかにされた。相談センターというのは、政府が作ったたらい回しのための機関である。25日の「基本方針」というのは、この感染症について最初から一貫して政府が行っている対処の言語化であり、一言で言えば棄民政策に他ならない。 政府は面倒見ないし、医療も受けさせないから、感染したら自分で何とかしろという「対策」だ。それがさも何か予防と救済の措置をしているように見せるため、相談センターを設置したり、専門家会議を立ち上げたりして、NHKを中心にテレビ番組で欺瞞宣伝を垂れ流していた。この「基本方針」を崩す原動力となったのは、テレ朝のモーニングショーであり、そこで言論をリードしている玉川徹である。めざましい活躍と言っていい。一人の言論の力でここまで状況を動かした。
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