… … …(記事全文2,387文字)昨夜、午後11時15分ごろ青森県東方沖で地震が発生しました。沿岸域には津波も観測されました。残念ながら負傷者が出てしまったようですが、今のところ死者は報告されていません。今後の余震の発生なども含めて、事態の推移を注視する必要があります。
そんな中、気象庁が「北海道・三陸沖後発地震注意情報」を発表しました。
https://news.web.nhk/newsweb/na/na-k10014998281000
この「北海道・三陸沖後発地震」というのは、いわゆる千島海溝や日本海溝において発生する巨大地震です。これらの巨大地震の発生する可能性がふだんと比べ相対的に高まっているということで、気象庁から「注意報」が発令されたという次第です。
この情報が発表されるのは、2022年12月に運用が始まって以来、初めてのこと。
さて、今回の地震を契機として危惧されている「北海道・三陸沖後発地」あるいは、「千島海溝地震・日本海溝地震」とは、下記のエリアで生ずることが危惧されているもの。
出典:『日本海溝・千島海溝地震が起きれば東日本大震災を超す被害規模に』(鎌田浩毅)、エコノミストon-line、2022年2月28日
https://weekly-economist.mainichi.jp/articles/20220308/se1/00m/020/063000c
それは、プレートとプレートの接触部分(それは深く沈み込む「海溝」となります)で、定期的に100年~数百年毎に生ずる海洋型の巨大地震。
ここ最近では、今から14年前の2011東日本大震災が東北の三陸沖の「中南部」で巨大地震が起こりました。
これはつまり、プレートとプレートの境目にたまった「歪みエネルギー」が、一気に解放された事を意味しています。
例えば、下の図は、地震で地盤がどれだけ動いたかを示していますが、これはそのまま「開放された歪みの大きさ」を意味しています。ご覧の様に東北沖の「中南部」は、歪みが一気に解放されていますが、その北側は全く何も起こっていないのです。
つまり、東北北部から北海道にかけては、その、プレートとプレートの間で長年海溝部にて蓄積された「歪みエネルギー」が全く解放されず、たまりにたまった状況になっているのです。
このたまりにたまった歪みエネルギー一気に解放されるのが、「日本海溝地震」であり「千島海溝地震」であって、その「注意報」が今発出されたと言う次第なのです。
これらが起これば、上記のようにマグニチュードは最悪それぞれ9以上となり、死者数も最悪10万人から20万人に達することもありうると想定されています!
誠にもって恐ろしい話しなのですが…


![The 2011 Tohoku earthquake: Coseismic slip distribution model, from [17].](https://foomii.com/files/00178/image/84655027781e2e4b794304f59094cf9da877753c.png)
購読するとすべてのコメントが読み放題!
購読申込はこちら
購読中の方は、こちらからログイン