Foomii(フーミー)

動物にタブーはない! 動物行動学から語る男と女

竹内久美子(動物行動学研究家 エッセイスト)

竹内久美子

恋愛で第三者を一番激怒させる場面

2024年10月25日から26日にかけて起きた、北海道江別市大学生暴行死事件をご存じだろうか。

 

大学生Hさん(当時20)が交際中の大学生、八木原亜麻(あま 当時20)に八木原の自宅アパートで別れ話を持ち出したところ、親友の川村葉音(はおと 当時20)に連絡。

別れ話の様子をスマホで聴かせた。

激怒した川村はHさんを公園に呼び出し、K(当時18)、T(当時18)、川村の彼氏A(当時17)、D(当時16)とともに2時間にわたり殴る、蹴るの集団リンチを加えた(KとTはイニシャル、AとⅮは単なる記号である)。

 

Hさんは外傷性くも膜下出血、硬膜下出血、腰椎骨折などの重傷を負い、搬送先の病院で死亡。

死因は「外傷性ショック」で、全身の血液の20 ~30%が失われており、損傷はほぼ全身にわたるという。

もう少し早い段階で搬送されたなら、一命はとりとめられたが、脳へのダメージは免れなかっただろうということである。

 

集団リンチといっても、暴行を主導したのはKで、他の者は初めのうちはKや川村に煽られるか暴行に加わらざるを得ないような状況だった。

 

そうこうするうちKがHさんの財布からクレジットカードを取り出し、いったんは収まった暴行だが、女2人がコンビニでタバコを購入し戻ってきたところで再開された。

またこれを機に傍観気味だった者たちも、八木原を除き、暴行をエスカレートさせた。

指紋がついているからとDが衣服を脱がせる、Kが頭髪、体毛、陰毛に火をつける、動画をとっているからとKに促されてTが飛び蹴りをし、Kが息も絶え絶えのHさんを脅し、キャッシュカードの暗証番号を聞き出す……。

 

そして別れ話の当事者である八木原は終始一貫して傍観者であり、何度も「許してくれ」と懇願するHさんに「許さない」と言い放った。

暴行を煽ることさえあったという。

 

こんな残忍な行いになぜブレーキがかからなかったのだろう?

 

集団心理や同調圧力の末の惨劇と言われるこの事件だが、はたしてそうなのか。

 

… … …(記事全文2,083文字)
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