… … …(記事全文2,700文字) 米財務長官は、同盟国日本には「市場を落ち着かせろ」と迫りながら、米国側の政治と統治のリスクが米国債を揺らすという見方は強く否認しました。
欧州の米国債売り観測は矮小化し、責任の重心を日本の政策へ寄せる、この非対称な態度こそダボスの核心です。
円安が止まらない現実は、日本へのconfidence喪失を映し、外圧が一段と強まる土壌になります。
ダボス会議をめぐって「ベッセント米財務長官が、米国債の下落は日本の高市政権の積極財政で日本国債が売られ、金利が上がったからだと日本を糾弾した」という言説が広まりました。加えて、日本国債市場の急変を「6シグマ級」と表現した、という話も出ています。ここまでは、真偽が混線しやすい論点です。
まず事実として確認できるのは、長官が「市場の反応を、日本で内生的に起きていることから切り離して分析するのは難しい」と述べ、日本側当局の発信や対応に期待を示した点です。要するに「日本発の金利ショックが、世界の債券市場に波及している」という文脈で、日本に“市場を落ち着かせろ”と圧力をかける構図が見えます。
一方で、同じタイミングで欧州側には「米国債を売るのではないか」という観測が立ちました。背景には、グリーンランドをめぐる緊張や関税カードがあり、市場はそれを政治リスクとして織り込みに行きます。ロイターも、日本の国債売りの波及と並べて、グリーンランド関連の不安が市場心理に影響したと整理しています。
1 欧州の「米国債売り」は、観測だけではなく象徴例が出た
欧州政府が公式に「保有米国債を売る」と宣言したわけではありません。しかし、デンマークの年金基金AkademikerPensionが、約1億ドル規模の米国債を月内に売却すると表明した事例は確認できます。規模は米国債市場全体から見れば小さいですが、「売る」という行為が象徴として報じられる意味は軽くありません。
2 ベッセント長官の対応は「統治リスクの否認」に寄った
ここからが本題です。

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