… … …(記事全文7,907文字)13日付けの毎日新聞朝刊が興味深い記事を載せている。ネット版では以下のURLから読める(ただし、全文を読むのは有料)。
https://mainichi.jp/articles/20260312/k00/00m/030/242000c
この記事のポイントは、米国とイスラエルがイラン攻撃に踏み切った際、トランプ大統領はイランからの反撃は少なく戦争は早期に終わると考えていたという点である。おまけにトランプは、イランがホルムズ海峡を封鎖するリスクは少なく、「エネルギー市場への影響は低いと考えていた」という。いまから思えば、どう見ても甘すぎる読みだった。
だが、その甘い読みは戦争の現実によってひっくり返された。イランは現在、ホルムズ海峡に機雷を敷き詰めるなどして封鎖しており、すでに攻撃を受けたタンカーも何隻か存在する。ただし、交渉によっては航行可能だという柔軟姿勢も見せている。このため世界的に原油価格は高騰しており、国際エネルギー機関(IEA)の加盟国は過去最大となる4億バレルの備蓄石油を放出することを決めた。もっとも、一時的に原油価格は下がってもイランが徹底抗戦を続ければいずれ限界が訪れる。そのとき世界は大不況に見舞われることも覚悟しなければならない。
もちろん、日本への影響も甚大だ。日本のガソリン元売り各社は12日から一斉に値上げし、ガソリン1Lあたり20円~30円も上がっている。私も日常的に車に乗っているが、前日までは1Lあたり150円だったガソリンが翌日には190円近くまで大幅に値上がりしていた。これから春の行楽シーズンを迎えるというのに、この様子では遠出を控える人が出てくるだろう。行楽地の宿泊業やお土産店、飲食業にもマイナスの影響が出ることも予想される。
物流を支える長距離トラックや宅配便にも影響が及ぶ。ガソリン価格の高騰は輸送費のコストアップへとつながり、それが積荷である生鮮食料品などの価格に転嫁される。おのずとスーパーなどの小売業者は値上げに踏み切らざるを得ず、それが最終的には消費者が負担することになる。政府は消費減税の方針を打ち出しているが、これでは焼け石に水だ。物価を下げるか、それとも収入を上げるか、このいずれか、もしくは両方でないと国民は悲鳴を上げる。だが、原油価格が高騰し続ける限り物価を抑えることはできず、不況の煽りをくう企業側も簡単に賃上げはできない。まさに泥沼である。

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