… … …(記事全文7,513文字)当メルマガの7月15日配信号で、わたしは次のように記した。
>もしかすると維新はウルトラCの奇策を用意しているのではないか。それは、大阪市が廃止されても地名に「大阪市◯◯区」という言葉だけは残すつもりではないのか。この場合の「市」はCityという意味の自治体の形態を表したものではなく、単なる地名としての名称である。維新は案外、このようなプランを残している気がしてならない。
この推測は当たっていた。8月7日に開かれた大阪市廃止・特別区設置構想(いわゆる大阪都構想)の制度設計を行う大阪府・市の法定協議会で、委員である大阪維新の会の府議らから特別区の名称に「大阪市」の名称を残してはどうかという意見が出されたのだ。大阪市民に慣れ親しんだ地名を引き続き使ってもらうことが大切だとし、吉村洋文大阪府知事も同意。それが基本的なスタンスであるべきだと言及した。
もっとも、この意見に反発する維新議員も少なくないという。ただ、メルマガで指摘したことはウルトラCでも何でもなく、納得する維新議員は割と多いという。ただし、これには都構想の実現に前向きな府市の副首都推進局でさえ、「疑問だ」と首を傾げている。大阪市某局の幹部職員は「維新は何をバカなことを考えているのか」と呆れていた。わたしも同感だ。ただの悪あがきでしかない。
https://www.asahi.com/articles/ASV8V31JQV8VOXIE03TM.html
維新はこれまで、いわゆる都構想が実現して政令市が廃止されても、「大阪市はなくならない。なくなるのは大阪市役所であり大阪市議会だ。実体は府市の再編、合併である」と強弁してきた。法も論理も無視したこのようなヘリクツを並べ立ててきた手前もあってか、ここに来て「大阪市」の名称だけを残すアイデアを持ち出してきた。もっとも、仮に特別区の住所表記が「大阪市◯◯区」となっても、この場合の大阪市は政令市ではない。セミの抜け殻のようなものにすぎない。あるいは気の抜けたビールのようなもので、中身と実体との間に相当のギャップがある。
過去2度の住民投票において、維新は「大阪市はなくならない」という奇妙なロジックを展開してきた。とくに唖然とさせられたのは、2度目の住民投票のときだった。大阪市内で街頭演説する当時の松井一郎大阪市長が、「ゴジラが踏みつぶすわけじゃあるまいし、大阪市がなくなるわけがない」などと演説し、それに拍手喝采する支持者らを目撃したときだ。吉村知事も同じで、「小学校や住民サービスはなくならない」とし、だから「大阪市はなくならない」という不可思議な持論を展開している。連動して、維新議員や支持者らも同じような言説をSNSにせっせと投稿し、吉村が訴える不思議な論理の擁護に必死だ。ここまでヘリクツを押し通されると、「案外そうかもしれない」と錯覚する人も出てくるだろう。

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