… … …(記事全文6,402文字)8月1日、Xのタイムラインに、HPVの被害者である梅本美有さんの母、梅本邦子さん(HPVワクチン薬害九州原告団代表)が、ジャーナリストの鈴木エイト氏から取材依頼を受けたという内容のポストが流れてきた。鈴木氏の「当事者の思いについて改めて取材させてください」という申し出に、梅本さんは「取材をお受けしてもあなたには当事者の思いは伝わらないと思います」と、取材を断るリプライを返していた。
鈴木氏と言えば、安倍晋三元首相銃撃殺害事件の裁判傍聴や山上徹也被告との交流で注目を浴びている、今売り出し中のジャーナリストだ。HPVワクチン薬害訴訟については、原告は守らねばならないとしつつも、「子宮頸がん死亡数の増加が顕著になったとして、誰が責を問われることになるのか」と、HPVワクチンを批判してきた原告弁護団や薬害オンブズパースン会議に対して批判的な姿勢を見せている(https://gendai.media/articles/-/155338)。
「法廷や会見のやり取りを客観的に取材しています」「事実を無視して原告側に『寄り添う』ことは報道ではありません」とする鈴木氏に対して、梅本さんは「あなたのこれまでの記事や言動が客観的というなら、なおさら取材を受ける原告はいないでしょう」と応じていた。鈴木氏がHPVワクチン訴訟の原告側に懐疑的なのは、彼が長年取材してきた統一教会など「宗教カルト問題」と「反ワクチン運動」を同列に見ていることも影響しているのではないだろうか(https://costep.open-ed.hokudai.ac.jp/news/32046)。
鈴木氏の報道の具体的な内容をここで掘り下げるつもりはないが、記事などを読んでいて感じるのは、「医療」に対する向き合い方が、彼と私とではかなり隔たりがあることだ。鈴木氏は「社会的弱者の声がいつも常に正しいとは限らない」と記事の中で書いている。まさにその通りではあるが、私は30年近い医療取材の経験から「医療ジャーナリズムは、常に社会的弱者である患者の側に立つべきだ」と考えている。また、医療における「正しさ」についても、認識がまったく異なると思われる。そこで、以下に私の考える「医療ジャーナリズム」のあるべき姿を簡潔に述べてみたい。

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