Foomii(フーミー)

学校では教えてくれない日本の近現代史

六衛府(日本史研究者)

六衛府

このままでは2900年に日本人の人口は0になって絶滅すると予測されています。

筆者が一番危惧していることの一つが日本人絶滅です。

うそだろ?

筆者もそう思いたいのですが、このままで行くと現実化されると思います。

問題なのは、将来の日本の総人口の値自体ではなく、人口減少に歯止めがかからないことです。

人口維持が問題の結論部分だとすると、移民政策を採れば解決できるかも知れません。

(ただし、この場合、日本の人口の大部分は外国人となります)

いま一番問題となっているのは日本の人口減少に歯止めがかかっていないことです。


一人の女性が一生のうちに出産する子供の平均数を示す数値を合計特殊出生率と呼んでいます。単純計算でこの値が2.0とすると夫婦2人から子供が2人生まれるので(男性は子供を産まない)、生まれてくる子供の男女比が1対1である限り、その世代の人口は維持されることになります。これは各年齢(世代)の女性の出生率を合計して計算されています。しかし実際には多様なアクシデントによる早世などの減少があるのて、人口維持のための合計特殊出生率は2.07から2.08だといわれています(人口置換水準)。人口置換水準である合計特殊出生率2.07を下回らなければ人口は増え続けることになります。


直近となる2025年の合計特殊出生率は1.13前後。厚生労働省の人口動態統計をもとに、2025年の日本人の出生数を試算すると、前年比2.2%減の67.1万人となる見通しです。

一方で2025年の日本の人口は、日本人住民が前年から約90万人減少しています。

これは毎年、日本の和歌山県ぐらいの自治体が一つずつ毎年消滅していく勢いです。


このような日本人にとって危機的状況の発生を政府は1980年代には予測、認識できていたのになぜ政府は「日本人を増やす」という少子化対策に本腰を入れず、外国人雇用を推進することに終始してお茶を濁したのでしょうか。

それが経団連の希望に沿う形でもあり、予算も掛からず、労働者人口を増やすには手っ取り早いからなのですが、政治家の本音は別のところにあったようです。

ある社会学者が田原総一郎と一緒に石破茂にその疑問を直接聞いたところ、こう答えたそうです。

社会学者「なぜ日本の政治家は少子化対策に無関心なのか」


石破茂「だって子どもが増えても、投票ができるようになるのは18年後だからねえ。その時、私たちは政治家をやっていないでしょう」

これが政治家の本音だったのです。

そもそも政治家にすべてを委ねていたいたこと自体が間違いだったのかも知れません。

いま子どもを増やしても、それが労働力となって自分が支持者から評価されるまで最低18年かかるということなのでしょう。こんな感覚で議員が少子化問題に取り組んできたのだと思うと情けない気がします。

子どもを増やすのは国家の礎となる日本人を絶やさないためで、お前らの票田とは全く関係のない話。

数年前には「科学技術が発達するから人口なんて少ない目でいいんだよ」なんていう楽観論を唱える人がいましたが、現実に運転手不足から路線バスの廃止が相次ぎ、社会に外国人労働者が増えてもぜんぜん労働人口不足に追い付いていない事実に直面して、そういう楽観論は減ってきたような気がします。

実際には人口が減って一定数で「下げ止まり」になるのでは無くて、このままだと人口が激減して日本人が消滅する危機に瀕しているのです。

国立社会保障・人口問題研究所(社人研)の推計では2200年には953万人、2400年には43万人、2500年にはわずか9万人程度になる見込みです。 この推計から、2900年には日本人が絶滅する可能性が示唆されています。



ただし、全体的に出生率が減少している中でも、ただ一つ沖縄県だけは、比較的高水準な出生率を維持しています。

沖縄県だけは政府が少子化社会対策大綱で策定した「希望出生率1.8の実現」に近い数値(直近で1.54)を記録しています。

希望出生率は、結婚したい人はすべて結婚し、結婚後に産みたいと思う子供の数だけ子供が産まれるとした場合の出生率のことです。

なぜ沖縄県だけ、高い出生率を維持しているのか。

ひとつは文化的・社会的背景にあると言われています。

沖縄では親族や地域コミュニティーの結びつきが強く、近隣住民が共同で子どもを育てる環境、地域相互扶助機能が残っています。昭和中期までは日本中どこでもあったらしいですが。

あと、沖縄には「子だくさん」を好む価値観があり、子どもを宝(たからんこ)とする文化が根強く、多くの子供を持つことを望ましいとする意識が高いからだとも言われています。

男子が家を継ぐという伝統的価値観(家系継承)が残っており、男の子が生まれるまで産児制限をしない傾向もあるようです。 

さらに地域特性として、若い年齢での結婚・出産が他の地域よりも一般的で、結婚前に子どもを授かる(できちゃった婚)に対する寛容度が本土より高いことも出生率を押し上げる要因となっているようです。

これらの沖縄における高出生率の要因は県民所得や経済水準などの問題ではなく、社会慣習、精神的、価値観の違いによるものが多いことがわかります。

1970年代以降、日本社会は「産めよ増やせよ」というベビーブーム当時の感覚から脱却して、女性の人権だけを声高に叫ぶフェミニストたちの意見を政府は尊重して、保育施設の拡充すらされてもいないのに女性の社会進出だけを急いできた感があります。

しかしいまさら過去に戻すわけにもいかず、その合理的理由もありません。

ではどうすればいいのでしょうか。

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