… … …(記事全文7,417文字)今回は7月28日のトランプ大統領の発言~ウクライナ紛争解決に関するロシアへの「最後通牒」の期限を50日間から10~12日間に短縮、更に「プーチン大統領との対話には、もはや関心がない」と語った発言を深堀りし、そこから見えてくる彼の狙いについて考察したく思います。
「最後通牒」の期間を10~12日間に短縮する!
トランプ大統領は前回のプーチン大統領との電話会談で「非常に快適で、敬意を払い、良い会話」をしていたものの、その翌夜には「ロシアのミサイルで(ウクライナの)人々が命を落とした」とも語り、「(和平合意を)待つ意味はない。進展は全く見られない。プーチン大統領には失望した。今後どうなるかは既に分かっている。だから50日間の猶予期間を短縮する」と語りました。この「50日間の猶予」とは、7月14日にトランプ大統領がホワイトハウスでNATOのマルク・ルッテ事務総長と会談した際に述べた言葉で、ロシアは50日の間にウクライナと和平交渉を行い、結果を出さないといけないというものでした。
プーチン大統領は、トランプ氏の就任前の昨年の6月から、このウクライナ紛争の終結の目的は「根本原因の排除にある」と何度も公言してきていますが、果たしてトランプ大統領にはこの「根本原因の排除」の意味が未だ伝わっていないのか?との疑念を抱かせる発言です。
14日の発言からちょうど2週間後の28日に、トランプ大統領は滞在先のスコットランドで、英国のキル・スターマー首相との会談の際、メディアに向け最後通牒までの期限を「10~12日間に短縮する」と語りました。まずウクライナ戦争継続派で、キエフ政権のキュレーターでもあるスターマー首相との会談の際に発している点が意味深です(NATOの事務総長との会談のちょうど2週間後という点も引っ掛かりますが)。英国は今年、財政赤字の補填のために1430億ポンド(約28兆円)を借り入れなければならないほど経済が悪化しています。ですので何とかしてこのウクライナ戦争で将来的な利益を得られる道筋を立てたいと思っているのは間違いありません。出来れば今年の1月17日にキエフ政権と締結した100年間のパートナーシップ協定の秘密協定に基づき、ウクライナの天然資源や港湾インフラなどをそのまま手中に収めたいところでしょう。今回スターマー首相は、スコットランドのトランプさんの滞在先をわざわざ訪問して面談にこぎつけたのですが、トランプ氏がこの発言を行った際、TV画面にはスターマー首相がしっかりと映っていることからも、反ロシア路線を未だに牽引している彼の顔を引き立てるという意味で、彼の面前でメディアに向かいプーチン大統領を叱咤するというリップサービスを行った、とも考えられます。しかし、それだけでこういったリスクのある発言をするとは思えません。では、その狙いは一体何なのか?
ロシアからみたトランプとは?
ここでロシア側の視点から、トランプ政権についてお伝えします。一言で言えば、トランプ大統領は、かなり無理をしているように感じられます。プーチン大統領は昨年、トランプ大統

 
		
 
         
         
         
         
         
         
         
         
         
         
         
         
         
         
         
         
         
         
         
         
         
         
         
         
         
         
         
         
         
         
         
         
         
         
         
         
         
         
         
         
         
        
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