… … …(記事全文7,708文字)9月3日から6日にかけ、ウラジオストックで第10回「東方経済フォーラム」が開催されました。5日に行われた全体会議にプーチン大統領が出席しました。またこの会議にはラオスのソーンサイ・シーパンドン首相、モンゴルのゴンボジャブ・ザンダンシャタル首相、そして中国の李鴻中(リ・コウチュウ)全国人民代表大会常務委員会副委員長らも参加しました。各参加者が演説を行った後、司会者による質疑応答が行われましたが、今回はその中からプーチン大統領の気になる発言、重要な発言を幾つか原文のママ抜粋し、コメントを添える形でお伝えします。
アジアとの関係
プーチン氏:私はアジア太平洋地域、特にグローバル・サウスの友人達との交流、その交流の拡大、そして共同作業は、現在の(世界の)政治情勢とは全く関係がないと既に申し上げました。なぜなら、例えば、我々は習近平国家主席と、20年前にこのような大規模な共同作業を始めました。これは現在の(世界)情勢とは関係ありません。これはお互いの国益に関わるものです。我々は隣国であり、両国の経済は互いに補完し合い、多くの共通の利益、共通のアプローチ、共通の価値観、特に「伝統的な価値観」を共有していることを強調したく思います。
ロシアは、世界経済がどのように発展しているかを理解しています。どのように発展していますか?世界経済は加速的に発展していることを全世界が知っています。これは世界経済の新たな分野であり、成長のポイントです。そして当然のことながら、我々はこの方向へと向かっています。しかも我々は、多くの国々、特に中国、インド、そしてインドネシアと非常に良好な善隣関係を築いています。各国の発展状況に注目しています。インドネシアでは人口が既に3億人近くに到達しています。なんと素晴らしい市場でしょう!
マレーシア、タイ、ベトナムといった、小国ながらも急速に発展している国々とも、ロシアは何十年にも亘り、特別な関係を築いてきました。これらの関係全てを活用しない手はありません。これは当然です。これは方向転換したのではなく、世界、そして世界経済で起こっている客観的な現象に対する答えに過ぎません。
しかし例えば、それ以外の国、他のアジア諸国で、我々との提携を望む国々を我々は決して拒否したことはありません。今はただ、誰かを困難で気まずい状況に置きたくないのです。現状、政治的問題を抱えているように見える幾つかの国々の企業は、ロシア市場から撤退していません。彼らは活動を続けており、撤退もせず、むしろ協力関係を拡大したいとも考えています。
ニキータ:お互いに国益を尊重し、共通した「伝統的価値観」を共有するのがロシアと中国の関係だとプーチン大統領は語っています。私はモスクワに住んでいますが、日本人ですのでこのプーチン大統領の「世界経済は加速的に発展している」という発言に少し違和感を覚えました。やはりG7に代表される西側「先進国」に生まれ育ったからかもしれませんが、その「先進国」の経済をみれば「加速的に発展」どころか、右下がりのイメージしかありません…。


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