… … …(記事全文4,129文字)10月21日に自民維新の連立で高市政権が誕生してから三週間あまりが経過した。
その間に「責任ある積極財政」を展開すべく片山財務大臣、城内経済財政担当大臣が任命されると同時に、自民党税制調査会、経済財政諮問会議や日本成長戦略会議といった経済政策上重要な会議体に次々と「積極財政派」の議員、有識者が任命された。
国会答弁では、高市総理は『PB黒字化目標の達成状況を毎年度の予算編成などで確認する従来の方法を取り下げる』と表明し、経済財政諮問会議の民間議員からもそうすべきであるという有識者意見が相次いだ。
こうした財政態度の表明は、年内の補正予算の策定においても、次年度の予算策定や税制のあり方の審議に決定的に重大な意味を持つことが確実の情勢となった。
実際に、国会審議を通してガソリン税の暫定税率の年内引き下げも決定され(その直前の補助金増額も含めて)、実際にガソリン価格が全国の消費者が実感を伴う形で引き下げられることが決定された。
そして現在、高市政権は物価高対策と危機管理、成長のための投資の拡充のための補正予算に取り組んでいる。
こうして高市内閣は誕生から三週間あまりしか経過して否にもかかわらず、(トランプ、習近平、イジェミョンらとの矢継ぎ早の首脳会談を成功させた外交的成果のみならず)「責任ある積極財政」の方向で着実なる成果を積み上げる結果を生み出した。
しかし、これ以降の政権運営で、どれくらい大きな成果を生み出せるのかは未知数の状況にある。
例えば、野党の国民民主党は、自民党と公明党と共に取り結んだ三党合意において謳われている「178万円への年収の壁引き上げ」について三党合意通りの実現を望んでいる。そして国民はこの年収の壁引き上げをかねてより強烈に支持しており、かつ、高市総理も総裁戦時点で、その実現を明言していたものの、少なくとも今年の臨時国会での成立見通せない状況にある。
あるいは、同じく国民民主党は消費税減税を求め、その他の野党も、さらには、総裁選に打って出る前の高市早苗氏本人もまた、規模や程度の差こそ違えど一様に「消費税減税」を主張していたにも関わらず、国会でそれが決議される見通しは未だ全くたってはいない。
消費税減税には、年収の壁引き上げや所得税減税に勝るとも劣らぬ程に強い国民的な要求が存在しており、かつ、高市氏もまた、総理としての国会答弁において「恒久財源5兆円を自由に使えるとしたら何に使いたいか」との質問に対して「自民党に怒られるかもしれないが、今だったら食料品の消費税をずっとゼロにする」と言明しているにも関わらずである。
なぜそうなっているのかと言えば、この総理答弁からも明らかなように「自民党に怒られる」からだ。
しかし、実際には日本政府には「恒久財源5兆円」が存在する。そもそも、PB規律を凍結し、政府債務対GDP比の引き下げを財政規律の今回に据えるという高市総理の所信表明演説の趣旨に従うなら、現下の金利状況(加重平均で0.8%程度)の状況があり、かつ、債務がGDPよりも圧倒的に大きな状況である限り、現状より毎年5兆円程度の支出拡大があったとしても、債務体GDP比は確実に引き下がる状況にあるからだ。
それにも関わらず「自民党に怒られる」となってしまうのは偏に、政府債務対GDP比の観点から言うなら、「恒久財源5兆円」が存在するという事の理解が自民党において十分に進んでいないからである。
178万円への年収の壁引き上げについても同様だ。すなわち、そのためには恒久財源が6~7兆円程度が必要である一方、政府債務対GDP比の引き下げ基準なら十分にそのための恒久財源確保が可能であるにもかかわらず、自民党内部での理解が進んでいないからだ。
むろん、高市氏は「総裁」として、鈴木幹事長、萩生田幹事長代理、そして、小林政調会長らと綿密な連携を図りながら、そうした自民党内の「理解」を進めているところである。しかしそもそも自民党内部には、前政権まで「活躍」された緊縮財政派勢力が未だに色濃く存在しているのが現実だ。
さらには、野党においても立憲民主党の現執行部もまた、強力な緊縮財政派である。
こうした与党内外の緊縮財政派の影響で、国民が熱烈に求めている178万円への年収の壁引き上げや消費税減税が進まないというのが、現在の国会情勢だ。
この状況を打開する最も直接的方法は、年内解散である。
勿論、「少数与党」として成立した高市政権は、この「少数与党」として実現しうることを一定以上十分に成し遂げる義務を負っている。
それが冒頭で紹介した「ガソリン税減税」であり「補正予算」の成立である。
ただしここで重要な試金石となるのが「補正予算」の内実だ。
高市政権は、現下の少数与党の状況の中で…

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