Foomii(フーミー)

吉富有治の魔境探訪 - 政治という摩訶不思議を大阪から眺める

吉富有治(ジャーナリスト)

吉富有治

「誤報」の研究 人やマスコミはなぜ同じ過ちを繰り返すのか

 それにしても、ありえないミスだった。ここ近年にない報道機関による大失敗だった。読売新聞の大誤報である。問題の経緯は以下のとおりだ。


 日本維新の会の池下卓衆院議員が公設秘書の給与を不正受給した疑惑があるとして、東京地検特捜部が捜査しているという記事を読売新聞が8月27日朝刊1面で報じた。ところが、読売新聞が報じてしばらくしてから、Yahooニュースや同紙のホームページから記事が削除された。これによって、X(旧・ツイッター)などSNSでは「誤報ではないのか」という話題が飛び交った。さらに、同じ日に日本維新の石井章参院議員の事務所などに東京地検特捜部によるガサ入れ(家宅捜索)が入り、その事実を各メディアが報じたことで、「読売は、池下衆院議員と石井参院議員を取り違えたのではないのか」という噂や投稿であふれることとなった。


 実際、そのとおりだった。読売新聞の記事は事実に基づかない「誤報」であることが同日中にわかり、同紙も誤報を認めた。SNSでの投稿のとおり、地検特捜部が捜査していたのは池下衆院議員ではなく、石井参院議員だったのだ。1面トップで大々的に載せながら、じつは誤報という読売新聞。とんだ大恥をかいたわけである。


 同紙の記事を受けて池下衆院議員は自身のブログやX(旧・ツイッター)で「事実無根」と反論し、読売新聞に対して強く抗議した。日本維新の会の吉村洋文代表(大阪府知事)もXで「誤報」だと投稿した。


https://x.com/hiroyoshimura/status/1960617620455219207


 その日の午後には読売新聞の編集局幹部が池下の事務所を訪れ、頭を下げて謝罪する事態へと発展した。池下は「政治活動や国民との信頼関係に重大な影響を及ぼす」として、訂正記事の掲載要求や法的措置も視野に入れて対応する姿勢を示していた。

… … …(記事全文8,552文字)
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