… … …(記事全文7,607文字)前々回のメルマガでは、8月27日付けの読売新聞朝刊が一面トップで"世紀の大誤報"をやらかした話を取り上げ、「誤報」の構造的な原因に斬り込んだ。今回のメルマガも関連したもので、「ジャーナリズムとは何か」という、少々青臭い話をさせていただきたい。
なぜ、この話題を取り上げるかと言えば、米国のニューヨーク・タイムズ(NYT)の大スクープを日本のメディアを通じて知ったことがきっかけだった。政府の極秘情報をスクープしたNYTの記事を読むと、権力とメディアの関係のほか、権力に対してメディアはどうあるべきかを指し示しているように感じたからだ。
NYTによれば、1期目のトランプ政権時代の2019年初頭、米国海軍特殊部隊「SEALS(シールズ)」が北朝鮮に侵入し、金正恩朝鮮労働党総書記の通信を傍受する電子機器を設置する極秘作戦を実行したという。ところが、作戦実行中に漁船に見つかったことでシールズの隊員らは漁師である民間人2、3人を射殺し、証拠隠滅のために漁船もろとも民間人を海の底に沈めたとしている。シールズは作戦が失敗したとして、そのまま撤退したというのがNYTの記事だった。
https://www.yomiuri.co.jp/world/20250905-OYT1T50196/
NYTはまた、北朝鮮上陸の極秘作戦は大統領の承認のもとで行われたと伝えていた。同年2月にはトランプ大統領と金正恩総書記がベトナムのハノイで会談しており、この2回目の会談の前に作戦は実行されたという。両首脳のトップ会談を前にして、核兵器の開発や放棄について金正恩がどのような考え方を持っているかを米国は事前に把握しておきたかったからだ。そこでシールズを投入し、最新の傍受用電子機器を北朝鮮の内部に設置する作戦が行われたのだ。ちなみに、NYTは「電子機器」が電波を傍受するものか、それとも有線ケーブルから傍受するものかは明らかにしていない。

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