… … …(記事全文8,658文字)おそらく、これは今年の10大事件の1つにカウントされる事件ではないのか。「NHKから国民を守る党」(以下、N党)の立花孝志党首が9日、今年1月に自死した元兵庫県議の竹内英明に関するデマをSNSなどで拡散して名誉を傷つけたなどとして兵庫県警に逮捕された事件である。
立花の逮捕後、新聞やテレビ、雑誌はこの事件を大々的に報じ、11日付けの朝日新聞など各紙も社説で取り扱っている。SNSでも逮捕に関して「ようやくか」「逮捕されて当然」といった意見から、「不当逮捕だ」「国策捜査ではないのか」など、賛否両論の意見が飛び交っている。今年起こった様々な事件の中でも、立花の逮捕は間違いなく特筆すべき大事件である。
立花については、これまで兵庫県議などから名誉毀損や脅迫、威力業務妨害などで刑事告訴や告発を受けていたが、どれも書類送検などで終わっており、逮捕は無理だと思われていた。そこに突然、逮捕の一報が飛び込んできたのだから誰もが仰天した。しかも、逮捕された場所が堺市内にあるコインパーキング。県警は立花を尾行して待ち伏せして、午前3時すぎに逮捕したという。どのマスコミもノーマークで、県警も逮捕に関して事前にリークはしなかった。
立花が逮捕された当時、N党は所属議員が参院議員1人しかいない弱小政党だった(注・その後、斉藤健一郎参院議員が離党して現在はゼロ)。また、高市早苗政権の発足後、参議院で自民党と会派を組んだばかりであり(注・現在は会派解消)、逮捕した相手は一応与党の党首だったのだ。公党の党首の逮捕劇にしては、あまりにも地味だと言える。
汚職事件などで国会議員を逮捕する場合、警察本部や検察庁、あるいは用意したホテルの一室に出頭させた上で逮捕状を執行するというパターンが多い。あるいは、マスコミに逮捕情報を事前にリークし、テレビカメラやフラッシュを浴びた容疑者が捜査員に連行されるシーンもよく目にする。これらは政治家の逮捕を大々的にアピールすることで、捜査機関の手柄を自慢する意図がある。
ところが、同じ容疑者でも立花の場合は違った。そこらのチンピラかヤクザを逮捕する状況と変わりがなかったのだ。いや、チンピラやヤクザでも自宅や潜伏先で逮捕するものだ。この異例な逮捕劇を見ると、兵庫県警と神戸地検の同容疑者に対する扱いがよくわかる。いくら党首だと言っても、捜査機関にすれば立花などはチンピラかヤクザと大差ないのかもしれない。政治家に対する配慮など微塵もない。

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