… … …(記事全文7,894文字)先日、何気なくネット配信のニュースを眺めていると、以下のようなものに出会った。他愛のない記事ではあるが、それでも「ちょっと待てよ」と不可解な気持ちになったのも確かである。
https://hochi.news/articles/20251124-OHT1T51205.html?page=1
この番組は日本テレビと全国の系列局が11月24日にオンエアした特番で、タイトルは「県民スター栄誉賞」という。同局のホームページによると、「地元民に心から愛され、他県に自慢したい地元の顔は誰なのか!? 他県の人には、新発見が続々! 地元民だから選べる知られざる偉業を成し遂げた地元スターもランクイン!」と記され、同局と調査会社が「地元の顔」を選ぶ企画なのだという。
https://www.ntv.co.jp/kenminstar/
選ぶ基準は「認知度」「好感度」「地域貢献度」「スター性」「自慢したい度」の5つで、たとえば北海道では大泉洋が、東京では北野武が、また福岡県ではタモリがそれぞれ1位に選ばれている。これらの選考結果については選考基準に照らせば驚きもしなかった。まあ、そうなるだろうといった程度である。
驚いたのは、この中に知事や国会議員がいたことである。大阪では日本維新の会代表で大阪府知事の吉村洋文が2位に選ばれていた。他府県では鳥取県の平井伸治(2位)、徳島県の後藤田正純(5位)、愛媛県の中村時広(9位)の各知事がそれぞれ選ばれている。国会議員では香川県から国民民主党代表の玉木雄一郎が7位にランクインした。それ以外は、どの地域もタレントかスポーツ選手が大半だった。声優や漫画家もいたが、企業経営者は皆無のようである。とにかく目立つ人、テレビでよく見る有名人が選ばれているようである。
吉村は府知事だから「地元の顔」であるのは当然であり、なるほど、選考基準の「認知度」は備えているだろう。だが、「好感度」や「スター性」といった他の項目に合致するのかと考えると首をかしげてしまう。ましてや「地域貢献度」になると、どれだけ高いのかと疑ってしまう。性懲りもなく3度目の住民投票を目指し、大阪市廃止・特別区設置構想(いわゆる「大阪都構想」)の実現を裏で画策している吉村を見ていると、地域貢献度どころか地域破壊度のほうが大きいのではないかとさえ思えてくる。
本来、このような番組はバラエティーのジャンルであり、知事や国会議員などの政治家が選ばれたからといって目くじらを立てる必要はないのかもしれない。文句を言えば、「野暮だ」と白い目で見られるだろう。ただ、それでもタレントなどはまだしも、バラエティー番組とはいえ政治家をランクインさせるのはどうなのか。大げさかもしれないが、民主主義の破壊ではないかとさえ思えてくる。その理由については以下に説明する。

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