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みんなの優しい経済学

堀浩司(経済ジャーナリスト ・阪南大学常任理事(元))

堀浩司

経済学は私たちの暮らしが良くなるためにある学問なのに、肝心のリーマンショックでも、コロナ禍の中でも、だんまりを決めこみ、私たちの暮らしが良くなるための指針を何も示してくれない。

そんな学者のための経済学は私たちに必要ありません。私たちがわかる経済のお話を解説していきます。

タイトル
みんなの優しい経済学
価格
660円/月(税込)
発行
毎週 月曜日
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みんなの優しい経済学

https://foomii.com/00224

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「コロナ禍、経済のギモン!~なんで株価が最高値!?」
MBC南日本放送ラジオ「青だよ! たくちゃん!」2020.06.20放送

今日は、コロナ禍の中で、
疑問に思われる経済のお話をしたいと思います。
今年上半期、
やはり新型コロナウィルスの自粛による
経済へのダメージが大きく
総務省が5日発表した家計調査によりますと、
4月の国内消費は前年同月比1割以上(11.1%)も減り、
過去最大の落ち込みだったということです。

ただ中には、「ステイホーム」で逆に需要が伸びたものもあり、
例えば、パスタは前年同月比70.5%増となり、
電子レンジも30%増となったようです。
また、在宅勤務の広がりを受けてパソコンは72.3%増、
ゲームソフトなどは、
世界的なヒットになっている
任天堂の「あつまれ どうぶつの森」などの影響で
前年の2倍に急増したということです。

Q.私たちの暮らしでは、
まだまだ、これからが大変ということですが、
政府は第二次補正予算で追加の支援策を発表しましたが、
その財源がすべて国債の発行で賄われるということなのですが、
大丈夫なのでしょうか?

自国通貨で国債を発行している国は、
破綻しないという現代貨幣理論という考え方があるのですね。
経済学の世界では
天動説が常識の時代に地動説を唱えるような考えで、
「トンデモ理論」なんて呼ばれたりしています。
政府も取り合わないぐらい否定しているのですが、
その政府が、
アメリカの格付け会社が日本国債の格付けを下げたとき、
「日本は円という自国通貨建てで、
国債を発行しているので破綻などあり得ない」と
猛烈な抗議文を格付け会社3社に送り付けているのです。

経済学の世界では、
GDPに対する債務残高が90%を超えると
金利が急騰して、ハイパーインフレがおこり
破綻するというのが通説だったのですが、
既に日本はIMF(国際通貨基金)加盟188カ国の中で
最も債務比率が高くGDP比235%、
先進国の中で日本に続く債務国はイタリアが131.3%、
アメリカが106.2%と
日本は断トツなのですが、
日本はびくともしていないのですね。

しかも、日銀は金融緩和で国債を買い続け、
既に日本の国債のほぼ半分を日銀が持っています。
日銀と政府は制度上は違いますが、
統合して考えれば、
お金を発行しながら借金を返したようなものなのです。
現実の経済を見ていると、
私もこの現代貨幣理論の考えが本当は正しいのでは
と思い始めています。
ただ、まだまだ、なんか家計や会社と同じように考えて、
国が国債を発行することはいけないようなイメージですが、
少なくとも、私たちの生活を支えるためには、
国債を発行してまでも、
さらに支援を続けるべきなのです。

Q. コロナ禍で、世界経済が停滞している
というニュースを聞きますが、株価をみると、
先週、アメリカのナスダック株価指数が
史上最高値をつけたというニュースもありました。
アメリカ経済は好調なのですか?
先週から今週の新聞のニューヨーク株式の解説を
ひろってみますと、
8日、米経済活動が早期に正常化するとの期待から高値に。
11日、新型コロナウイルスの感染「第2波」と
景気回復の遅れに懸念が出て続落。
15日、米連邦準備理事会(FRB)の積極的な景気支援を好感し上昇。
これは、理由のこじ付けです。

実際に市場を動かしているのは、
ヘッジファンドなどの投機家です。
私たちは、株式というのは安く買って、高く売ることで
儲けが出ると考えていますが、
ヘッジファンドなどの投機家は、
高いところで売ってから、安く買うという手法でも、
儲けが出るようになっています。
彼らにとっては株価は、上がり続けるよりも、下がり続けるよりも、
乱高下する方が儲かるのです。
決して、コロナウイルス禍の中で、
アメリカ経済が好調なわけではありません。

Q.国内の株価もコロナ禍にありながら
回復してきているような感じなのですが、
これはなぜですか?
日本株の売買シェアのおよそ6割~7割を
外国人投資家が占めています。
簡単に言えば、外国人投資が買えば株価は上昇し、
外国人投資家が売れば株価は下落します。
そして、その外国人投資家というのは、
ニューヨーク市場と同じ人たち、
その人たちが東京マーケットでも株を動かし、
乱高下を演出しています。
それが証拠にニューヨーク市場と
東京市場のチャート図を重ね合わせるとまったく、
同じような動きをしていることが分かります。

私たちにとっての株式投資は、
好きな会社、応援したい会社の株を買って持ち続けるのが
一番、納得できる株式投資だと思います。

ただ、株価が乱高下しながらでも、
好調な姿はなんか私たちの気持ちを落ち込ませないですよね。
いつも、申し上げていますが、
経済、景気は私たちの気持ちで変わります。
前向きな気持ちを持ち続けることが、
私たちが出来る経済対策だと思います。


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