… … …(記事全文2,526文字)中国経済は衰退が始まり、不動産バブル崩壊不況からの出口が見当たらない有り様だ。対する日本は、「失われた30年」に終止符を打つ機会が訪れているが、9月27日の自民党総裁選挙を経て、10月初めに発足する新政権は脱デフレを完遂し、日本経済を再生軌道に乗せられるかどうか重大な責務を負う。(9月初め刊の拙近著で詳述)
そこで、ふと頭に浮かんだのは日本を「日出ずる処」、中国を「日没する処」としたためた推古天皇15年(西暦607年)の遣隋使国書である。
日出ずる、日没する、と言っても日本国は隋と対等な関係にあると表現したのだと高校では教わったが、いまだに釈然とはしない。国として日没なんて言われくないはずだ。隋書には「煬帝、これを覧て悦ばず」とあるからなおさらだ。しかも、随はその後、国内経済の疲弊からくる内乱と外征の失敗が重なり、煬帝は憤死し、隋帝国は滅亡した。上記の国書からわずか11年後である。