… … …(記事全文1,422文字)自動車関税25%などトランプ第2次政権(トランプ2.0)による高関税砲は乱射の様相を呈している。高関税は世界の自由貿易体制に便乗して安売り輸出攻勢をかける中国には確かに有効だが、日本など西側陣営に撃ち込んでしまうと、米経済自体にも災厄となって降りかかる恐れが十分だ。
●関税上げれば成長は鈍る
トランプ氏は関税障壁を高くすれば米国民が豊かになるという信念を持っているが、粗雑すぎる。早い話、1946年から2024年までの期間をとって、米国の平均輸入関税率と米国の実質GDP(国内総生産)のデータをパソコンの計算ソフトにかけると、統計学でいう相関係数はマイナス0.83となる。極めて高い確率で、関税率が下がるにつれて経済成長率は上昇する、あるいは関税率が上がれば成長率は下がる、という意味だ。米国のみならず、日本など多くの国が米関税率低下の恩恵を受けてきた。