おはようございます。
◆指標振り返り
24日 10月日本消費者物価指数
総合指数は予想3.4%に対して
結果は前年比3.3%上昇しました。
生鮮食料品除くコア指数は、
前年同月比で2.9%上昇し、
前月の伸び率2.8%をわずかに
上回りました。電気やガス料金の
下落率が縮小した一方で、
生鮮食品を除く食料品の価格上昇が
鈍化したことに起因しています。
原材料の価格上昇と
人件費の転嫁の進展が影響し、
一般サービス価格は
1993年3月以来の
高い伸び率を記録しました。
専門家によると、企業収益を
圧迫している人件費の上昇は
当面続く見込みです。
エネルギー価格は8.7%下落
しましたが、
電気代と都市ガス代の
下落率は縮小しました。
一方で、宿泊料は
前月比42.6%と大幅に
上昇しました。
生鮮食品を除く食料は
7.6%上昇しましたが、
ビールの税率引き下げに
より下落しました。
◆今週の予定
29日 米国消費者信頼感指数
30日 中国製造業PMI
30日 日本鉱工業生産指数
1日 米国ISM製造業景気指数
◆12期連続増配 トランザクション
財務から見る安定成長
突然の財務分析になりますが、
私が配当目的で
保有を続けている
トランザクション(7818)
の財務分析を
したいと思います。
財務分析は難しいと感じている
方も多いと思います。
2023年8月期の決算資料
を見て、自己資本と
キャッシュフローの安定性が
事業の好循環につながっている
ことを確認し、
投資戦略に活かしやすいと
思ったためです。
トランザクションは、
エコバッグや、
トラベル、ペット、
イベントグッズなど
日用品、雑貨などの
企画販売をしている会社です。
生産は世界各国の委託先で行い、
プリントなどの最終加工だけを
自社で行うファブレスメーカーです。
ファブレスとは、生産設備をもたない
ということです。
では、財務を見ていきましょう。
*自己資本比率の高さ
自己資本比率は、
2023年8月は、78.8%
2022年8月は、80.2%
自己資本が多い割に
自己資本に対して
どのくらい利益が
出ているかを%
で表したROEは、
2023年が22.3%
2022年は17.8%と
経営も効率的なことが
分かります。
次にキャッシュフロー
を見ていきますので
簡単にCFの解説を入れます。
*キャッシュフロー(CF)とは?
営業キャッシュフロー:
日々の事業活動から
得られる現金の流れ。
商品やサービスの売上から
得られるお金
投資キャッシュフロー:
新しい機械の購入や
工場建設など、将来の収益を
生むための投資に使われる
現金の流れ。
財務キャッシュフロー:
借入金や返済、
株主への配当など、
財務活動に関連する
現金の流れ。
*営業キャッシュフロー(CF)の変化
2022年8月期は
中国や他国の
ロックダウンに備えて
在庫を積み増ししました。
約16億円在庫(棚卸資産)を
増やしたことより、
営業CFが約2.3億円と
大きく減少しました。
在庫が急上昇した
理由が売れ残りではなく、
将来の売上のための戦略である
ということがポイントです。
2023年8月は、その戦略が
うまくいき、
売上利益とも過去最高を
更新しました。
2023年の第4四半期には
適正な在庫に戻し、
利益がしっかり残ったため
2023年8月期の営業CFは、
税引前純利益と
同じ水準の約37.7億円
まで戻りました。
*為替リスク対策による設備投資
2023~2025年の
第4次中期経営計画では、
ここ最近の為替リスクに
対応するために
国内自社工場での内省化比率を
高める計画を実施しています。
総額15億円の設備投資を
予定しています。
2023年の投資CFを見ると、
有形固定資産の取得に約1.9億円
計上されていますので
第2工場の投資費用7.5億円
の一部が含まれていると
考えられます。
*営業CFと投資CFの比較
2022年の営業CFは約2.4億円、
2023年は約37.7億円。
2022年の投資CFは約2.1億円、
2023年は約14.8億円。
いずれも営業CF内での
投資活動となっています。
なぜ、投資CFが
営業CFの範囲内が
よいのかというと、
借金をせずに、自社の利益で
投資ができることは、
会社の財務が
安定するためです。
過度な借入は金利の支払いが
利益を圧迫します。
営業CFで投資をまかなえる
会社は将来に渡って
安定した成長が期待できます。
*財務CF
借入と返済のバランスがよく
配当の支払いも毎年
増えていて、
理想の財務で好業績を
実現させている
というのが見て取れます。
配当性向は、30%程度を
方針としていて、
12期連続の増配を続けて
います。
2023年は35円の配当
2024年は、37円
2025年は41円を
予定しています。
*投資戦略の考え方
安定したキャッシュフローは、
将来の成長と安定収益のための
再投資の余地が可能になります。
予測に基づく在庫管理と
為替リスクへの対応は、
不確実な市場環境に
柔軟に対応できる能力を
示しています。
計画的な投資活動とリスク管理で
長期的な目線で持続可能な
成長を目指しているのが
財務から見てとれる
と言えるでしょう。
以上がキャッシュフローから見る
投資戦略です。
いつも見ている
超成長株と違って
安定した財務基盤が
できていて、
かつ成長もしている
という点で
安心して投資できる
企業ですね。
*参考資料
202305 固定資産取得(第2工場建設)に関するお知らせ
https://ssl4.eir-parts.net/doc/7818/tdnet/2291167/00.pdf
202308決算短信
https://ssl4.eir-parts.net/doc/7818/tdnet/2344738/00.pdf
202310 202308決算説明資料
https://ssl4.eir-parts.net/doc/7818/ir_material_for_fiscal_ym/142924/00.pdf
202310 第4次中期経営計画
https://ssl4.eir-parts.net/doc/7818/tdnet/2344740/00.pdf
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