… … …(記事全文2,225文字)経済成長とは、実質GDPの成長であり、他に定義はない。
実質GDPとは、
「生産者が財やサービスを生産し、顧客が支出し、所得が創出される」
という一連の所得創出のプロセスの合計金額から、物価上昇の影響を除いたものだ。つまりは、生産者の生産金額ではなく、生産「量」が増えるのが経済成長なのである。
財はともかく、サービスの量は測りにくい。というわけで、国民経済計算上、
「数字(金額)で統計が取れる名目GDPを測定し、定点観測して得られる物価変動率(GDPデフレータ)の影響を排除し、実質GDPを計算する」
というルールになっている。
それでは、実際の生産の量、すなわち実質GDPを増やすには、どうしたらいいのだろうか。
もちろん、生産者(労働者)を増やし、国家全体の生産量を拡大することは可能だ。とはいえ、その場合は、
「国家全体の生産は増えたにも関わらず、生産者一人当たりの生産量は減る」
といった事態が起こりうる。
ケースA:10人が100を生産した。生産性10。
ケースB:20人が150を生産した。生産性7.5。
ケースAから労働者が倍になり、生産量は1.5倍になった。確かにGDPは成長しているのだが、生産者一人当たりの生産は減っている。
GDPとは、三面等価の原則により「生産=支出=所得」となる。生産者一人当たりの生産減少とは、生産者一人当たりの所得減少とイコールだ。国家全体の経済成長が達成されたとしても、国民が貧困化するケースというのは、普通にあり得るのである。
