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山田順の「週刊:未来地図」 ― 日本は、世界は、今後どうなっていくのでしょうか? 主に経済面から日々の出来事を最新情報を元に的確に分析し、未来を見据えます。

山田順(ジャーナリスト・作家)

山田順

山田順の「週刊:未来地図」No.819:トランプ退場後、この世界はどうなるのか? 元には戻らないという見方が有力だが----


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山田順の「週刊:未来地図」                 

No.819 2026/02/17

トランプ退場後、この世界はどうなるのか?

元には戻らないという見方が有力だが----

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 移民弾圧、エプスタインスキャンダル、インフレ、力による外交など、問題続出で支持率は大幅に低下。もう、トランプ政権が持たないのは確実だが、問題はそうなったときどうなるか? そして、トランプが任期を終えた後、この変わり果てた世界はどうなるか?である。

 すでにさまざまな見方が出ているが、「もう元には戻らない」「昔のアメリカは戻ってこない」という見方が有力だ。

 実際のところ、私もそう思う。戻ってほしいが、1度壊れた以上、修復するのは簡単ではない。また、そうする必然性があるかどうか。

 ともかく、いやおうなく時代は変わっていく。 

 *写真:議会演説するトランプ大統領©️White House Official Photo

[目次]  ─────────────────────

■中間選挙で下院ばかりか上院も大敗か?

■選挙を国営化して票を操作し、勝ちを演出!

■FRBも司法もオレ様に従わせて思いのままに

■まさかの3期目とキングメーカー支配を画策

■「分断」が進み、決断できない政治になる

■国連はもとより、全世界がアメリカのコスト

■中国とのディールによる「G2」で世界を山分け

■世界でただ一国、対中強硬路線を取り続ける「愚」

■間違いなく地球温暖化対策だけは元に戻す

■科学と地政学に基づかない政治は必ず滅びる

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■中間選挙で下院ばかりか上院も大敗か?

 

 11月の中間選挙での共和党の負けは、いまや確実だ。トランプのこれまでの振る舞いから見て、共和党に勝ち目はない。下院はもとより、上院でさえ共和党はマジョリティを失う可能性が高い。日々、アメリカの政治メディアをチェックしているが、共和党有利などと予想しているところはない。

 

 すでに、昨年11月の地方選で共和党は負けている。南部バージニア、東部ニュージャージー両州知事選などで連敗である。これでは、下院では大敗も考えられる。

 現在、下院は総議席数435のうち、共和党220議席、民主党215議席。したがって、共和党のリードはわずか5議席だから、簡単に逆転されるだろう。

 

 では上院はどうか? こちらは、総議席数100のうち共和党53議席、民主党47議席。よって、民主党が共和党を逆転するには、保有する改選議席の13議席を維持し、なおかつ共和党が保有する改選22議席(特別選挙2議席を含む)のうち4議席を奪取する必要がある。

 これは結構難しいのではされてきたが、今年になっての世論調査を見れば、案外、簡単に達成されるかもしれない。

 

■選挙を国営化して票を操作し、勝ちを演出!

 

 議会で共和党がマジョリティを失えば、どうなるか?

 当然だが、トランプはレイムダック化する。大統領令連発の横暴にストップ(歯止め)がかかる。ただし、トランプは、自身を“天才”と思い込んでいるナルシストなので、そんな状況を許容するはずがない。

 

 なにしろ、前回の大統領選でも負けを認めなかったのだから、中間選挙の結果を無きものにしようとするだろう。それ以前に、選挙そのものを手中に収め、勝ちを演出しかねない。

 

 すでにその兆候はある。先月、トランプは突如、選挙を国営化すべきだと言い出した。合衆国憲法は選挙管理の主体を州政府としていて、その運営は郡や市に任されている。これを連邦政府の管轄下に置いてしまおうというのだ。

 そうすれは、票の操作が可能になる。

 

■FRBも司法もオレ様に従わせて思いのままに

 

 ともかく、トランプはあらゆることを支配し、オレ様のいうことを聞け、聞かないと酷い目にあわせるという、脅迫政治を行っている。だから、行政権力が及ばないFRBや司法を目の敵にする。リベラルと自由の牙城の大学、アメリカ文化の源泉ハリウッドすらトランプの敵だ。

 

 すでに、FRBのパウエル議長のクビを切って、5月の退任以後は、息のかかったケビン・ウォーシュ元FRB理事を議長に据えることを宣言した。

 

 そして、現在のトランプの最大の懸念が、最高裁がトランプ関税に対して違憲判決を下すことだ。この判決は何度も先送りされてきたが、いずれ違憲判決が出るのは確実視されている。となると、関税を武器の恐喝外交はできなくなるうえ、これまで徴収した関税を還付しなければならない

 

 しかし、これにもトランプは「司法の横暴だ」として、従わないとする見方が強い。すでに、「代替手段」(プランB)を準備しているとも報じられている。

 これはとんでもないことだが、トランプならやりかねない。つまり、IEEPA関税は撤廃するが、代替法に基づく新しい大統領令を出し、関税を事実上継続させてしまおうというのだ。

 

■まさかの3期目とキングメーカー支配を画策

 

 このようにトランプは、必死にレイムダック化を避けようとしている。いくらTACOとはいえ、“裸の王様”(そこまでバカではない)ではないので、自分の支持率が落ちて、地位が危うくなっているのはわかっている。

 しかし、そんなことを自ら認める人間ではない。

 

 よって、中間選挙で負けようと、また、なにが起ころうと、まだ3年弱もある大統領任期中は、トランプ的なものが継続すると考えざるを得ない。とくに、トランプがつくり出した「無法政治」と「力による外交」の世界は、そのまま続いていくだろう。

 

 しかも、トランプは、3期目(2029年以降)への意欲を吐露している。そんなことはできるわけがないが、できないなら、忠実な子分の副大統領のJ.D.ヴァンスを共和党の次期大統領候補にして、キングメーカーになろうとしている。

 ただし、どう考えても次期大統領が共和党から出るとは思えない。そこで、次からは、トランプが2029年1月に規定通りに退任し、次の大統領が民主党出身となったケースで、トランプ以後の世界を考えてみよう。

… … …(記事全文6,234文字)
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