… … …(記事全文1,798文字)世は株高だし、春闘も連合集計では5%超の賃上げだ。仲間同士の花見会も盛り上がりそうだが、中には今後のフトコロ具合や事業のことを考えるとそう浮かれていられない向きもいるかもしれない。日本の資本主義を先導する大企業はいくら稼いでも、日本国民を豊かにするのに必要な先行投資や従業員報酬を後回しにして、もっぱら株主配当に割いている。
この点を指摘したのは、「日本企業の戦略」に関する伊丹敬之一橋大学名誉教授の4月1日付け日本経済新聞経済教室論文である。伊丹さんは大企業について、「『好業績』にはまやかしの部分があるように思われる。未来のための成長投資を避け、また人件費を削って上げた好業績部分がある」とズバリ指摘した。大企業による配当の設備投資や人件費に対する比率がともに、2002年度以降急上昇してきたという。それに比べ、中堅・中小企業のほうはなだらかにしか上昇していないというデータを示した。
