… … …(記事全文2,476文字)春闘賃上げが反映し始めた総務省家計調査4月分を見てみよう。同月の勤労者標準世帯の収入は1年前に比べて3.7%増、物価上昇率を割り引いた実質は0.8%増だ。総収入から社会保険料と所得税、住民税の直接税を差し引いた可処分所得4月分は前年同月を0.16%上回っただけである。実質可処分所得は2.6%減と落ち込み、22年4月からのマイナス基調から抜け切れないままである。しかも、家計には買い物のたびに消費税負担がのしかかる。
今月から実施の一人当たり4万円の定額減税は実質可処分所得のマイナスをカバー出来るのか。答えはノーだ。4月までの12カ月合計の勤労収入は670万円弱で、1年前よりも11万7000円も少なく、可処分所得は8万8500円も減っている。定額減税は2人家族の場合8万円、3人家族で12万円になるが、しょせん1度きりである。消費者は社会保険料負担増に苦しんでいるし、先には消費税増税の可能性ありと身構えるので、財布のヒモを締める。