… … …(記事全文3,147文字)石破茂政権が発足した。石破氏の経済政策(イシバノミクス)の原点は「反アベノミクス」であり、政治的動機に起因するが、より重要なのは、米国のドル覇権体制に組み込まれた日本経済の現実を踏まえることだ。日銀利上げ、財務省の財政均衡主義、さらに円ドル相場のシステムについて、最近の状況から説明しておこう。
日銀の金利引き上げは8月5日、史上最大の日経平均株価暴落を招き、ニューヨークをはじめ世界の市場に波及した。日銀という蝶が羽ばたけば、世界が揺らぐ。それは世界最大の債務国米国を支える世界最大の債権国日本というグローバル金融体制の脆弱さの表われである。日銀や財務省にその自覚はなく、自らのタコ壺に閉じこもるが、結果は恐るべき災厄となって日本に降りかかってくる。
国際金融の構造は以下のデータで端的に示すことができる。