… … …(記事全文2,337文字)対中高関税の中国金融への衝撃はどの程度か。2つのグラフは中国の経常収支、対米貿易収支の各規模と、中国人民銀行の外貨資産、人民元資金発行の12カ月平均値の前年比増減率の推移である。中国人民銀行が流入する外貨を買い上げる形で人民元資金を発行する。言わば、準ドル本位の金融・制度である。外貨資産と人民元発行の相関係数は2008年から2024年の期間をとると、0.9にもなる。相関係数の最大値は1であり、完全相関と呼ばれるが、かなりそれに近い。平たく言うと、人民銀行はドル資産が増えれば、金融の量的拡大を行い、逆の場合は縮小させる。