… … …(記事全文2,155文字)米中対立は貿易面にとどまらず通貨を含む金融戦争に突入し、世界を巻き込む情勢だ。日本はこれまでのように米中双方によい顔をするわけにいかなくなる。「戦争」が貿易だけなら、ワシントン、北京と別々に交渉し、トランプ政権とは日米同盟堅持を確認し、習近平政権とは「戦略的互恵関係」の継続をうたえば済むが、金融となると、トランプ政権は日本に同調を強要し、日本の企業や銀行が中国の脱ドル戦略に加担すると判断された場合、制裁を受けかねない。他方で習政権はドルではなく人民元での決済を求めてくるだろう。
トランプ米政権が4月初めに打ち出した高関税政策は中国を主標的とするものの、西側同盟国も対象にしたことから、基軸通貨ドルの信用低下を招いている。中国の習近平政権はここぞとばかりに人民元決裁圏を一挙に拡大しようと狙う、と言えば聞こえは良いが、外貨流入に依存する中国金融システムはもとより脆弱だ。トランプ政権から衝かれるとひとたまりもなく潰される。
習政権は強権を駆使して国内金融の引き締めを図る。具体的にどうするのか、常套手段は不都合な事実の隠蔽と、抹消だ。
習政権による情報統制のスキ間を縫って中国から流れてきた情報をまず紹介しよう。