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渡邉哲也政経塾

渡邉哲也(作家・経済評論家)

渡邉哲也

第3797回 習近平の米国国賓訪問 

■渡邉哲也の今世界で何が起きているのか (通常版)

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★習近平の米国国賓訪問 トランプ流のド派手な演出、その一方で中身のない空虚なものでもありました。共同声明は出されず、共同記者会見も開かれない。首脳会談の中身に関しても、米国はHPでファクトシートを出し、中国も新華社などを通じて声明を出しました。 米国側のファクトシートですが、日本の報道の見出しだけを見ていると米国が日本を批判しているように見えます。

米中首脳「大戦で同盟国、勝利へ肩並べ戦った」 会談成果文書の概要 日経

米中は第2次大戦の「同盟国」 首脳会談の概要文書―米発表 時事

米中が「同盟国」とそろって明記 歩み寄りの影でくすぶる不満と火種 朝日

 など、

 しかし、原文を見ると、別の意味になるのです。

Fact Sheet: President Donald J. Trump Advances a Fair and Reciprocal Relationship with China While Hosting Historic State Visit

https://www.whitehouse.gov/fact-sheets/2026/09/fact-sheet-president-donald-j-trump-advances-a-fair-and-reciprocal-relationship-with-china-while-hosting-historic-state-visit/


原文

The two leaders recalled that United States and China were allies in World War II and fought side by side to win the war. 

Since World War II, the United States’ forward military presence has preserved a Free and Open Indo-Pacific contributing to generations of American prosperity.

二人の指導者は、米国と中国が第二次世界大戦で同盟国であり、戦争に勝つために肩を並べて戦ったことを回想した。

第二次世界大戦以降、米国の先進的な軍事的プレゼンスは、自由で開かれたインド太平洋を維持し、世代を超えてアメリカの繁栄に寄与しています。


 ここで米国は「China」と述べており、この場合のChinaは、中華民国(元台湾)を意味します。 当時のRepublic of Chinaは同盟国 中華人民共和国People's Republic of China 中華人民共和国は存在すらしていない。

 また、米国共和党は、現在中国と中国共産党(CCP)を区別して、言及しています。中国人は敵ではないが、中国共産党は人類の敵であるとしているのです。


 ここで問題になるのがアルバニア決議ですが、中国はこれを恣意的に喧伝し、中華人民 共和国こそが台湾を含む唯一の正当な国家であると主張しますが、これは間違いであり、米国領下院、英国、EUはこれを公式に否定しています。

 この決議は、Chinese beijin 北京と Chinese taipei 台北という二つの『一つの中国』を名乗る二つの政府が国連における議席を奪い合い、その地位を中華人民共和国が奪ったに過ぎず、台湾の領有や一つの中国そして、中華民国の継承を認めたものではありません。

 これは日中共同声明も同じであり、あくまでも中国がそのように述べているということを尊重するとしかしていない。これは米国も英国も欧州も同じです。

 つまり、アルバニア決議とは、一つの中国を名乗る国が二つあることの証明なのです。

 そして、これは、中華民国(中国国民党)が、中国本土の領有に固執した結果でもあります。当時、日本などは中華民国(台湾)としての独立を望みましたが、当時の台湾には中国本土出身者も多く、中国本土の正当な統治者は中国国民党であると考え、国に戻ることを考える人が多かったのです。そして、その当時の台湾は国民党による一党独裁であり、これに異を唱えるものはいなかった。

 そして、国民党は現在もなお、この方針を変えていません。しかし、現政権である民進党は、当初より、中国本土の正当な統治者であるという主張はとっておらず、台湾は台湾であるとしているわけです。

 この重要な歴史的経緯とレトリックを知らないと、メディアの報道に騙されることになります。

 そのうえで、習近平の米国国賓訪問後、トランプは米国は共産主義にはならない。共産主義と戦うとしたわけです。ここまで読み込んで初めて、今回の首脳会談の意味が見えてきます。

 表では、AIをSIと呼ぶなどの実際どうでもよいことが報じられていますが、明らかに今回の最重要テーマは、イラン戦争をめぐる問題であり、中国の過剰生産や知的財産無視のAiを含む各種製品開発にあったといえるでしょう。

 米国は中国に対して、一切のイラン支援を行うことをやめるように通告した。それに対して、国賓訪問後後、中国はイランに支援を継続するとしています。

 11月の中間選挙を前にして、一時休戦を行うとともに、相互に言いたいことを言い、何の合意もなかったというのが今回の国賓訪問と首脳会談の本質ということだと思います。


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