… … …(記事全文4,482文字)
━━━━━━━━━━━━━━━━━
山田順の「週刊:未来地図」
No.811 2025/12/23
高市早苗は歴史を変える女性ではなかった!
愛子天皇だけが最後の希望か?
━━━━━━━━━━━━━━━━━
依然として高市内閣の支持率は高い。しかも、中国との対立激化によって、高市応援団はますます勢いづいている。しかし、就任2カ月、どう見ても彼女は改革と呼ぶべき改革を行っていない。補正予算もただのバラマキで、かえって日本経済を弱くしている。旧態依然の自民党政治を踏襲し、困窮化する国民生活を顧みようとしない。
歴史上、何人かの傑出した女性リーダーが出現して、世の中を変えてきた。日本初の女性首相だから、彼女がその1人になるではという期待は、いまのところ裏切られている。
高市早苗は、日本の疫病神かもしれない。
★写真:ラオス訪問中の愛子内親王(宮内庁インスタグラム)
[目次] ─────────────
■「働いて、働いて、働いて」国民を貧しくさせる
■「鉄の女」サッチャーのようになりたい
■サッチャーを尊敬するというのは単なるポーズ
■習近平と喧嘩を続けてしまうという愚かさ
■日本のバーゲンセールは誰のせいなのか?
■トランプの援護なしで「G2」に翻弄される
■最後の希望は敬宮愛子内親王の天皇即位
■「愛子天皇」は卑弥呼の再来になる!
■高市内閣が続く限り「愛子天皇」はありえない
──────────────────
■「働いて、働いて、働いて」国民を貧しくさせる
国が傾いたときは救世主が現れる。歴史史上そういうことはしばしばあった。それが女性の場合、例えば、劣勢のフランス軍を救ったジャンヌ・ダルク、英国病を克服したマーガレット・サッチャー、日本では倭の統一と平和をもたらした卑弥呼が思い浮かぶ。
それで、初の女性首相となった高市早苗に期待を寄せたが、どうやら見当違いだったようだ。
高市応援団の声が強く、支持率も高いので、彼女がその言葉通り、日本のために「働いて、働いて、働いて」いるように見える。しかし、その方向は、彼女が所信表明で言った「日本列島を強く、豊かに」と真反対の「弱く、貧しく」である。
先ごろ成立した補正予算がそれを象徴している。予算の6割を国債に頼るバラマキだから、これではでインフレを加速させ、円安、債権安、株安を招くけだ。実際、そうなっている。
■「鉄の女」サッチャーのようになりたい
高市早苗は、「鉄の女」と呼ばれたサッチャー元英首相を尊敬していると常々言ってきた。政治家を志したときから、サッチャーのようになりたいと思ってきたと-----。
サッチャーは、ひと言で言えば「英国病」の救い主で、その政策は「新保守主義」「新自由主義」と呼ばれた。
当時の英国は、「ゆりかごから墓場まで」とされた社会福祉が行き過ぎて、財政は逼迫、経済成長は止まっていた。そこで、サッチャーは大ナタをふるい、社会保障の大幅削減を断行し、強すぎる労働組合を潰し、すべてを市場に任せる規制緩和を敢行した。
そんななか、アルゼンチンとの間に起きたマルビナス紛争に軍を派遣して勝利し、欧州の統合に反対して、英国のプライドを守った。
■サッチャーを尊敬するというのは単なるポーズ
しかし、高市早苗は、中国に絶対に譲歩しないというプライドだけは強いが、経済政策は政府が市場に介入するという社会主義政策であり、これは中国の社会主義市場経済よりひどい。「責任ある積極財政」と言うが、国家の借金を膨らませるのだから無責任極まりなく、サッチャーの政策とは真逆である。
そのため、英国メディアは彼女を手厳しく批判した。ロイターは彼女の政策を「自滅的」と言い、エコノミストは「サナエノミクスは時代遅れ」と論評。テレグラフに至っては、「偽サッチャー」と酷評した。
高市がサッチャーを尊敬するというのは、単なるポーズに過ぎないのではないだろうか。
■習近平と喧嘩を続けてしまうという愚かさ
もう1カ月以上、日本では、中国の対日措置に対して、
ああでもない、こうでもないという騒ぎが続いている。やはり、声が大きいのは高市応援団で、「絶対に譲るな」「ほっとけ」と強硬姿勢を取り続けている。
しかし、どう考えても、大国となった中国とコトを構え続けるのは、国益に大きく反する。
保守であるなら、ここはプライドを捨て、内心はどうであろうと、妥協すべきではないだろうか? 習近平とこの先ずっと喧嘩を続けていくのは愚か過ぎないか?
高市応援団は、現実を見ないで、過去を見ている。彼女もまた、そういう節がある。たしかに過去の中国は日本以下の遅れた共産主義独裁国家だった。しかし、いまやGDPでは日本の4倍ほどになり、日本経済、日本人の暮らしは中国なしでは成り立たなくなっている。
