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山田順の「週刊:未来地図」 ― 日本は、世界は、今後どうなっていくのでしょうか? 主に経済面から日々の出来事を最新情報を元に的確に分析し、未来を見据えます。

山田順(ジャーナリスト・作家)

山田順

山田順の「週刊:未来地図」No.829:「再エネ」転換遅れが致命傷になる日本経済。その現状を世界と比較してみると


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山田順の「週刊:未来地図」                 

No.829 2026/04/28

「再エネ」転換遅れが致命傷になる日本経済

その現状を世界と比較してみると

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■最大の弱点「エネルギー自給率」は12〜15%

■再エネ発電とはなにか? どんな種類が?

■再エネ比率25.7%は世界全体の32%より低い

■世界の再エネ比率ランキングを見る

■主要国の再エネの現状はどうなっているのか?

【中国】【アメリカ】【ブラジル】【ドイツ】

【スペイン】【フランス】【イギリス】

■日本沈没確実のEVシフトの立ち遅れ

■世界一羨ましい国ノルウェーと日本の比較

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■最大の弱点「エネルギー自給率」は12〜15%

 

 今夏は昨年以上の猛暑だという。そこに襲ってくるのが、石油不足による節電と電気料金の高騰。そして、モノ不足。まさに、最悪の夏になりそうだが、こうなったのは、すべて私たち国民の意識の低さにある。

 

 原発に関してあれほど騒ぐのに、温暖化に対してはほとんど騒がない。危機意識がない。だから、政府も産業界も脱炭素(カーボンニュートラル)に真剣に取り組んでこなかった。

 

 そのため、エネルギー自給率が12〜15%程度と、OECD(経済協力開発機構)諸国のなかで最下位クラスなのに、エネルギーの約9割を輸入に頼ってきた。しかも、電力の約7割は、火力発電(石炭、天然ガス、石油)で、とくに石油は、その9割以上を中東に依存している。

 

 これでは、イラン戦争の影響を世界でどの国よりも受けるのは当然で、このままの状況が続けば、日本経済は完全に詰んでしまうだろう。

 そこで、以下、日本の「再エネ」がどんな状況にあるのか? 日本の現在の立ち位置を確認していきたい。

 

■再エネ発電とはなにか?どんな種類が?

 

 現在日本では、主に以下の再エネ発電が行われている。ちなみに、 再エネとは、石油や石炭などの化石燃料に頼らない発電のことで、太陽光、風力、水力などを使う発電だ。これらはいくら使っても枯渇しないので、「再生可能」と呼んでいる。

 

【太陽光発電】 

 太陽光パネルを使って集めた太陽光エネルギーを、電気に変換する。すでに世界中で幅広く導入されていて、再エネの切り札と言える。

【水力発電】 

 水力発電は、昔から行われてきた発電方式なので、再エネに含まないとする見方、統計がある。水を高所から低所へ落とす勢いで水車を回し、電気エネルギーを生み出す発電方式。地形上、日本ではこの方法が古くから普及したものの、全電力に占める比率は7.5%に過ぎない。

【風力発電】 

 風の力で風車を回して、電気エネルギーに変換する発電方法。風が吹いていれば設置場所は問わず、陸にも海にも装置の設置は可能。洋上風力は日本に適していると思われるが、比率は1%程度に過ぎない。

【バイオマス発電】 

 再生可能な生物資源(動植物)を燃焼、もしくはガス化させてエネルギーを生み出す発電方法。 

【地熱発電】 

 地熱帯から取り出した蒸気で、タービンを回して発電する方法。発電に使用した蒸気は、養殖事業やハウス栽培などに多段階活用できるメリットがある。しかし、火山国なのに、ほとんど普及していない。

 

■再エネ比率25.7%は世界全体の32%より低い

 

 では、日本の再エネ比率(前電力に死滅再生エネルギー発電の割合)を見てみたい。産業国家である日本は膨大な電力を必要としている。そのため再エネの発電量においては、世界第4位になっている。

 しかし、いくら発電量が多くても、その比率で見ると、完全に周回遅れの後進国である。

 

 特定非営利活動法人環境エネルギー政策研究所(ISEP)の公表資料によると、日本の再エネ比率は2023年度が25.7%、2024年度が26.6%である(2025年度はまだ公表されていない)。

 25%を超えているなら、転換が進んでいるほうではないかと思われるかもしれないが、世界全体の省エネ比率は約32%(2024年度)である。この比率は石炭火力35.4%に次ぐ第2位で、省エネ転換はかなりのスピードで進んでいると言える。いまだ25 %超えの日本は、周回遅れと言わざるをえない。

 

 ちなみに、日本の再エネ発電の内訳は、太陽光11.4%、水力7.9%、バイオマス5.9%、風力1.1%、地熱0.3%となっている。それ以外は、化石燃料(石炭、石油、天然ガス)による発電である。

 

■世界の再エネ比率ランキングを見る

 

 地球温暖化を見据えれば、一刻も早く再エネ転換を図るべきである。しかし、世界各国はその置かれた事情によって、転換のスピードは異なる。

 現在、いちおう「再エネ比率ランキング」があるが、ランク上位に位置する国は小国ばかり。温室効果ガス(GHG)排出量が多い大国がランク上位に来なければ、温暖化は進むばかりだ。

 

 では、ランキングのトップ10を見てみたい。

  1. 1、アイスランド 
  2. 2、パラグアイ
  3. 3、ノルウェー
  4. 4、ウルグアイ
  5. 5、ケニア
  6. 6、デンマーク
  7. 7、ニュージーランド
  8. 8、オーストリア
  9. 9、ブラジル
  10. 10、ポルトガル

 

 トップ10のなかで大国と言えるのは、かろうじてブラジルだけ。ブラジルが上位なのは、豊富な水資源による水力発電の比率が高いからである。水力発電でトップと言えるのがノルウェー。発電のほとんどを水力でまかなっている。小国アイスランドは、水力70 %、地熱30 %で、100 %再エネである。ウルグアイは、風力と太陽光がほとんどいう珍しい国だ。

 

… … …(記事全文5,061文字)
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