Foomii(フーミー)

山田順の「週刊:未来地図」 ― 日本は、世界は、今後どうなっていくのでしょうか? 主に経済面から日々の出来事を最新情報を元に的確に分析し、未来を見据えます。

山田順(ジャーナリスト・作家)

山田順

山田順の「週刊:未来地図」No.847:中国BYDがトヨタを逆転する日は近い。トヨタの凋落は日本の凋落なのか?


━━━━━━━━━━━━━━━━━

山田順の「週刊:未来地図」                 

No.847 2026/08/25

中国BYDがトヨタを追い抜く日は近い

トヨタの凋落は日本の凋落なのか?

━━━━━━━━━━━━━━━━━ 

  このメルマガで「トヨタとともに沈むのか日本!いまがピーク、今後BEV軽視のツケが回る」(7月21日)という記事を配信してから1カ月。中国BYDの進撃は止まらない。日本の軽自動車市場に合わせた「ラッコ」を投入し、「販売は好調」と喧伝している。

 販売をしていないアメリカをのぞいて、BYDはいまや世界のどこの市場でも販売を伸ばしており、トヨタを追い抜く日は近い。

 しかし、多くの日本人は「中国嫌い」から、それを認めたがらない。このままでは、日本は本当に危うい。

 写真:軽 EV「ラッコ」(RACCO)(BYDのHPより)

  

[目次]  ───────────────

 

■軽自動車市場に参入、BYD「ラッコ」の販売が好調

■補助金85万円で実質164万円という低価格

■中国アレルギーでなんでも拒否、温暖化も認めず

■英国市場ではトヨタとの差はわずか50台

■販売台数でトヨタは世界一を堅持しているが

■いまや中国が世界一の自動車販売市場

■自動車市場はシェアの奪い合いでできている

■グローバル化したトヨタは北米市場で生き残る

 

────────────────────

 

■軽自動車市場に参入、BYD「ラッコ」の販売が好調

 

 まさか、日本独特の規格である「軽自動車」の市場に、中国のBYDが参入してくるとは、ほぼ誰も思わなかったはずだ。ところが、日本進出を始めて3年、この分野なら勝負になると、BYDは自信をもってEV「ラッコ」(RACCO)を投入した。

 

 発売は7月28日。前後して、一大キャンペーンを行い、2週間後に「受注が発売から2週間で1000台を超えた」と発表した。BYDの販売目標は今年中に1万台だから、早くもその1割を達成したということになる。

 

「いや、1000台はあくまで受注。物珍しさからディーラーに客が殺到しましたが、お盆休みになるとガタッと減りましたよ」と、関係者。とはいえ、これまでにない出足であることは間違いない。

 

■補助金85万円で実質164万円という低価格

 

「ラッコ」が好調の理由をAIに聞くと、次のような回答があった。


・EV充電用コンセントとつなぐだけで、自宅での手軽な充電が可能。

・全高1800mmの広々とした室内空間を持つEV専用スーパートールボデ

・日常の足として十分な、210km(ラッコ200)および320km(ラッコ300)の航続距離(WLTCモード)を実現。

・日常使いに便利な両側電動スライドドアや最新装備を標準採用。

 

  ということのようで、受注での人気は、最上級の「ラッコ300プレミアム」に集中しているという。価格は249万7000円(消費税込)だが、東京都の場合、補助金が85万円出るため、実質164万円になる(他県だと補助金は15万円)。

 じつは、この低価格がいちばんの人気の原因だ。

 

■中国アレルギーでなんでも拒否、温暖化も認めず

 

 実際の人気とは裏腹に、ヤフコメなどのネットでの評判を見ると、相変わらず中国アレルギーに満ちている。以下、いくつか列記する。

 

「BYDは撤退を容易にするため日本の地場ディーラーに販売を委託している。売り逃げではないか」

「バッテリーの発火リスク、故障リスク、BYD撤退リスクがあるので買う気になれない」

「EVを含めて、中国製電子電機機器は、国柄で、バックドアがあっても不思議ではない。また、中国EVは発火の危険があり、倒産会社が多いので、メンテ修理の問題があり、お断りだ」

「下取りゼロ査定問題、販売店の少なさ。買った後が心配な車」

 

 この中国アレルギー派にEV否定派、地球温暖化フェイク派が加わるので、ネットでの評判は地に落ちる。それにしてもなぜ、温暖化を認めない、あるいは問題視していな人間がいるのか、私には信じられない。

 天動説を受け入れず、地動説を信じ続けているとしか思えない。

 

■英国市場ではトヨタとの差はわずか50台

 

 トランプのアメリカは別として、いまや世界中でEVが市場を獲得しつつある。そして、BYDがトヨタを追い詰めている。先のメルマガでは、タイとオーストラリアを取り上げたが、今回は英国を取り上げてみる。

 

[英国の7月の自動販売台数]

1位:フォルクスワーゲン(VW) 1万4,054台(前年同月比4.5%増)

2位:起亜(KIA) 9,086台(0.6%増)

3位:アウディ  8,652台(1.0%減)

4位:BMW  8,258台(2.1%増)

5位:フォード  7,699台(15.5%減)

6位:MG   7,203台(27.8%増)

7位:シュコダ  6,902台(1.9%増)

8位:トヨタ  6,653台(16.5%増)

9位:BYD  6,603台(107.4%増)

 

 一目瞭然、トヨタとBYDの差はわずか50台。BYDの販売台数の増加は前年比100%を超えている。となると、BYDはすぐにでもトヨタを追い抜くだろう。

… … …(記事全文5,299文字)
  • この記事には続きがあります。全てをお読みになるには、購読が必要です。

    購読中の読者はこちらからログインすると全文表示されます。

    ログインする
  • 価格:214円(税込)

    今月配信済みの記事をお読みになりたい方は定期購読を開始ください。
    お手続き完了と同時に配信済み記事をお届けします。

    定期購読する

今月発行済みのマガジン

ここ半年のバックナンバー

2026年のバックナンバー

2025年のバックナンバー

2024年のバックナンバー

2023年のバックナンバー

2022年のバックナンバー

2021年のバックナンバー

2020年のバックナンバー

2019年のバックナンバー

2018年のバックナンバー

2017年のバックナンバー

2016年のバックナンバー

2015年のバックナンバー

2014年のバックナンバー

2013年のバックナンバー

2012年のバックナンバー

このマガジンを読んでいる人はこんな本をチェックしています

月途中からのご利用について

月途中からサービス利用を開始された場合も、その月に配信されたウェブマガジンのすべての記事を読むことができます。2026年8月19日に利用を開始した場合、2026年8月1日~19日に配信されたウェブマガジンが届きます。

利用開始月(今月/来月)について

利用開始月を選択することができます。「今月」を選択した場合、月の途中でもすぐに利用を開始することができます。「来月」を選択した場合、2026年9月1日から利用を開始することができます。

お支払方法

クレジットカード、銀行振込、コンビニ決済、d払い、auかんたん決済、ソフトバンクまとめて支払いをご利用いただけます。

クレジットカードでの購読の場合、次のカードブランドが利用できます。

VISA Master JCB AMEX

キャリア決済での購読の場合、次のサービスが利用できます。

docomo au softbank

銀行振込での購読の場合、振込先(弊社口座)は以下の銀行になります。

ゆうちょ銀行 楽天銀行

解約について

クレジットカード決済によるご利用の場合、解約申請をされるまで、継続してサービスをご利用いただくことができます。ご利用は月単位となり、解約申請をした月の末日にて解約となります。解約申請は、マイページからお申し込みください。

銀行振込、コンビニ決済等の前払いによるご利用の場合、お申し込みいただいた利用期間の最終日をもって解約となります。利用期間を延長することにより、継続してサービスを利用することができます。

購読する