… … …(記事全文1,984文字)認知戦のひとつに「プロパガンダ」(政治的宣伝)がある。「我が国は正義であり、敵は悪である」という物語(ナラティブ)や価値観を植え付ける「プロパガンダ」は、認知戦を構成する強力な手段のひとつだ。
●イラン国葬も米国建国祭も認知戦
認知戦のひとつに「プロパガンダ」(政治的宣伝)がある。「我が国は正義であり、敵は悪である」という物語(ナラティブ)や価値観を植え付ける「プロパガンダ」は、認知戦を構成する強力な手段のひとつだ。
7月4日は、建国250周年を迎えた米国の祝祭と、死去から4カ月を経て執り行われたイラン最高指導者ハメネイ師の国葬が行われた。奇しくも同時に重なったこれら二つの国家行事は、いずれも典型的なプロパガンダだ。
<2026年7月5日 時事通信>
<2026年7月5日 時事通信>
では、両国のプロパガンダ戦はどちらが勝ったのか。
答えは「イラン」だ。
米国が華々しく祝うはずだった建国250周年は精彩を欠いていた。トランプが肝煎りで企画した記念行事『グレート・アメリカン・ステート・フェア』は、開幕早々から来場者数の伸び悩みや会場の停電、さらには南軍旗をめぐる分断論争に見舞われ、複数の州が予算や日程を理由に公式参加を辞退する異例の事態となった。
<2026年6月29日 フォーブス>
各都市で祝賀イベントが開催されるも、トランプ政権への抗議の声がそこかしこで聞かれた。
<2026年7月5日 NHK>
<2026年7月2日 ロイター>
かたやイランは、殺害された最高指導者アリ・ハメネイ師の国葬が執り行われた首都テヘランの街頭は、黒衣に身を包み「我々は立ち上がる」と書かれた旗を掲げる数百万から数千万とも推計される莫大な群衆で埋め尽くされた。
<2026年7月5日 日本テレビ>
https://youtu.be/wl3IzRk2X_0?si=6MWW3kS6ppauF38q
イラン政府の発表によると、世界100カ国以上から公式な弔問団や要人が参列したという。ちなみに欧米諸国や日本、韓国、オーストラリアは参列していない。
<2026年7月4日 日本経済新聞>
イラン政府は、最高指導者の死という国家最大の危機を「殉教の物語」へと昇華させ、国内外の弔問団を前にイラン国民の団結力と反米・反イスラエルを世界に向けてアピールすることに成功した。
<2026年7月8日 msn>
<2026年7月7日 テレビ朝日>
米国の祝祭が国内の分断を露呈する場となったのとは対照的に、イランの国葬は、国民の悲嘆と怒りの感情をコントロールし、現体制の強固な求心力を世界に見せつける、極めて高度な認知戦の舞台として機能したのである。









