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山田順の「週刊:未来地図」 ― 日本は、世界は、今後どうなっていくのでしょうか? 主に経済面から日々の出来事を最新情報を元に的確に分析し、未来を見据えます。

山田順(ジャーナリスト・作家)

山田順

山田順の「週刊:未来地図」No.841:AIとドローンで激変! いまや兵士が戦場で戦争する時代ではない!


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山田順の「週刊:未来地図」                 

No.841 2026/07/14

AIとドローンで激変!

いまや兵士が戦場で戦争する時代ではない

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 ウクライナ戦争、イラン戦争は続いている。終わる気配がない。ただし、これまでの戦争の常識は通用しない。今日の戦争は、前線で軍隊同士が戦って、雌雄を決するものではなくなってしまった。戦争をしているのはAIとドローンだからである。

 この戦争の激変は、今後、世界に大きな変化をもたらす。そのことを考えてみた。

 写真:ウクライナ軍の攻撃ドローン「R18」(ウクライナ軍提供)

[目次]  ─────────────

■ロシア新兵は10日から3週間で命を落とす

■ドローンに発見されれば、瞬時に殺害される

■確実に死ぬ戦争に誰が志願するだろうか?

■軍事力比較で、兵力数、戦車数などは無意味に

■性能が向上し、ロシア国内への長距離攻撃も可能

■大量生産によって数百機の「群攻撃」が可能に

■なぜウクライナは劣勢を挽回できたのか?

■ロシアも独自の低緯度衛星システムを開発へ

■侮れないイランの自爆型ドローン「シャヘド」

■米中の2大国が圧倒的にリードするLAWS戦争

■あわててドローン導入に踏み切った自衛隊

■AIドローン戦争の時代、日本はどうすべきか?

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■ロシア新兵は10日から3週間で命を落とす

 

 前線に配置されたロシア兵グループが、窮状を告発する動画を見た。「150人中、生き残ったのはわずか数人」「食料も物資も欠乏し、支援もない」「後方からは自軍の督戦隊に脅かされる」と切々と訴えている。

 最近、ロシアは兵士を集めるのに苦労しているらしいが、この動画を見れば志願する人間などいないだろう。

 

 「ニューヨーク・ポスト」の記事やオックスフォード大学教授のピーター・フランコパンが「フォーリン・ポリシー」に寄稿した記事によると、ロシア軍の新兵が入隊後、訓練所を経て前線で死亡するまでの期間は、わずか10日から3週間にすぎないという。

 とくに、実戦に投入されると、戦死するまでの平均生存時間は、わずか20~35分だというから驚く。

 

 なぜ、こんなに簡単に命を奪われてしまうのか?

 それは、ひとえにドローンのせいである

 

■ドローンに発見されれば、瞬時に殺害される

 

 ウクライナ戦争、ガザ戦争、そしてイラン戦争でわかったのは、戦争のかたちが激変してしまったことだ。戦争の主役は軍隊ではなく、AIとドローンになった。

 前線のロシア兵にせよ、イラン革命防衛隊のトップにせよ、AIによってコントロールされたドローンに発見されれば、即座に殺害される。

 領土を奪うために前線に軍を派遣しても、たやすくドローンに発見され、見つかった兵士は攻撃を受けて、ほぼ間違いなく殺される。

 

 かつて兵士は、訓練を受け、経験を積み、それによって戦場で戦い、生き延びることができた。しかし、いまやそれは通用しない。相手はドローンである。

 

 ウクライナ戦争の前線では、このドローン攻撃が日増しに激しさを増し、前線に到着したロシアの新兵は、敵兵と撃ち合う前に、上空から監視され、追跡され、「自爆ドローン」や「FPVドローン」(機体に搭載されたカメラの映像を専用のゴーグルでリアルタイムに確認しながら操縦するドローン)によって発見から数分で殺害される。

 

■確実に死ぬ戦争に誰が志願するだろうか?

 

 国家は兵士を募集し、装備を支給し、訓練をする。そうして、彼ら輸送して前線に送り込む。そのコストは膨大である。しかし、そのコストはいまや安価なドローンによって一瞬で失われる。軍艦も飛行機も戦車も、そしてミサイルも、大量に投入されたドローンの波状攻撃、群攻撃の前には無力だ。

 

 AIが進化し、ドローンを自在に操るようになったいま、従来通りの軍隊に膨大な予算をつぎ込むのは、まったくの無駄になった。このコスト的に非対称な戦争は、国家財政そのものを直撃する。ロシアは、いまこの状態に陥ろうとしている。 


 AIとドローンが破壊しているのは、軍隊と国家財政だけではない。人間の心理も破壊している。「前線に行けば20〜35分しか生きられない」という認識が社会に広がれば、志願者は減り、徴兵への抵抗は強まる。誰が確実に死ぬ戦争に志願するだろうか?

 

■軍事力比較で、兵力数、戦車数などは無意味に

 

 ウクライナ戦争の報道、動画ニュースなどを見て思うのは、あまりにも変わった戦場だ。地上戦において、かつて戦車は進軍に欠かせない主役だった。しかし、いまは、ドローン攻撃にひとたまりもない。戦車は兵士にとって「生ける監獄」と化した。

 

 戦車だけではない。水中ドローン、水上ドローンもあるので、軍艦も無用の長物になったと言えるだろう。かつて戦力は、兵力何十万人、戦車何百両、軍艦何百隻、航空機何百機、ミサイル何百発などで比較された。

 しかし、そんな時代はとうに過ぎ去り、今後、各国は軍事力の大幅な見直しを迫られるだろう。

 

 現代の戦場を支配するのはAIとドローン。そして目に見えない電波の攻防だ。これで優位に立たないと、戦争は勝てない。

 

… … …(記事全文6,230文字)
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