… … …(記事全文2,815文字)7月7日、トランプはNATO首脳会議の場で、それまで反対してきたトルコへのF-35戦闘機供与に「前向き」だと方針転換した。この転換は、イスラエル勢力を正面から裏切るものだった。
●リンゼーの裏切り
<2026年7月7日 ロイター>
トランプの狙いは、泥沼化したイラン戦争から足抜けして、トルコに引き継いでもらうことだ。
そもそもトランプは「戦争をしない大統領」「ドンロー主義(南北アメリカ以外は干渉しない)」の立場から、イラン戦争には消極的だった。だが、イスラエルロビーと福音派という二つの強力な支持基盤からの圧力、加えて「トランプとエプスタインの関係」というイスラエル(モサド)の脅迫に屈服し、イスラエルと共同でイラン戦争を始めざるを得なかった。
こうして半ば引きずり込まれる形で始まったイラン戦争は、案の定、泥沼化の様相を呈しつつある。エネルギー価格の高騰と厭戦気分の広がりの中で、トランプが次に見せた動きは「イラン戦争からの脱出」である。中間選挙を控え、対中強硬と対中ディールを使い分ける外交へと軸足を移しつつあるのは、イラン戦争という重荷を早々に切り上げたい思惑の表れだ。米国の代理戦争として始めたロシア・ウクライナ戦争を欧州に押し付けているのと同様、今度はF35戦闘機売却をバーターに、イラン戦争をトルコに押し付けようとしているのだ。
ここで見逃せないのは、その委ね先が、よりにもよってイスラエルと犬猿の仲のトルコだという点である。
トルコは「大イスラエル構想」実現のため、イスラエルがイランの次に倒さなければならない相手だ。
<2025年1月2日配信「アサド政権崩壊の真相(4)」>
<2026年7月13日 日経ビジネス>
トルコのフィダン外相は「イスラエルは人類がもはや耐えられない重荷だ」と発言してイスラエルを非難している。
<2026年7月3日 END TIME HEADLINES>
イスラエルも負けじと「トルコは攻撃的な野心を持っている」「平和と安全の勢力ではない」と名指しで批判し、F35売却に対して異例の公然たる反対キャンペーンを展開している。
<2026年7月8日 産経新聞>
一方、米国内では、イスラエルとネタニヤフに関し、否定派が肯定派を上回りつつある。
<2026年4月7日 Pew Reseach Center>
こうした情勢の変化の中でトルコに最新戦闘機を売却しようとしているのだ。トランプは米国民のイスラエル離反の機運に乗じて、イスラエルから距離を置こうとしているのかもしれない。
だが、こうした動きは、イスラエルにしてみれば「米国の裏切り」であり、飼い犬に手を嚙まれたも同然の屈辱だ。
ネタニヤフはその憤りを隠さなかったが、なぜかトランプに対しては怒りをぶつけなかった。
<2026年7月8日 CNN>
なぜネタニヤフはトランプを罵倒しなかったのだろうか。
その理由はおそらく、トルコへのF35戦闘機売却話を主導したのは、トランプではなく、軍産複合体の代理人リンゼー・グラムだったからだ。







