… … …(記事全文4,958文字)いつもメルマガ『FIRE達成おやじの舞台裏』をお読みいただき、ありがとうございます。
前回(第6回)では、Javier Estrada氏の論文「The Retirement Glidepath: An International Perspective」のデータを用い、日本市場(日本株・日本国債)だけで4%ルールを実践した場合、30年以内に資産が枯渇する確率(失敗率)は37〜43%に達するという厳しい現実をご紹介しました。
最も成績が良かった「株式50%・債券50%」の配分ですら、失敗率は37.0%です。つまり、過去のデータでは約3回に1回以上、30年を待たずに資産が尽きてしまったことになります。
では、日本だけに投資するのではなく、世界全体に分散したらどうなるのでしょうか。FIREやインデックス投資の世界で定番となっているのが、いわゆる「オルカン」です。今回は、オルカンの背景にある「全世界株式というエンジン」が4%ルールを30年間支え切る成長力と耐久性を持っていたのか、そして「債券=安全」という固定観念に実データがどこまで挑戦するのかを確認していきます。
結論から言えば、1900年から2009年までの世界市場データにおいて、「全世界株式100%」で4%ルールを実践した際の失敗率は、わずか6.2%でした。
日本株式 100% の失敗率(39.5%)と比較すると、約6分の1にまでリスクが低下します。
これまでの振り返り:米国では成功、日本では苦戦。では全世界なら?
本題に入る前に、これまでのデータを簡単におさらいします。
・米国株式100%
→ 失敗率わずか3.7%
(実質複利リターン年率6.2%という高い成長力が支えに)・日本(最良は株式50%・債券50%)
→ 失敗率37.0%
(日本株3.8%・日本国債−1.2%という低成長が原因で、米国の約10倍のリスク)▼参考:米国株式についてはブログ記事へ(4%ルールはなぜ米国発なのか?) https://monchi-blog.jp/4-percent-rule-data/
米国だけに集中するのはリスク、かといって日本だけでは枯渇率が高すぎる——特定の国に賭けず世界中に分散する「全世界株式」なら、この4%ルールはどこまで安全になるのか。ここから見ていきましょう。
1. まず全体感:19カ国の中で世界市場はどのポジションか
前回と同じく、各国について「最も失敗率が低かった戦略」だけを抜き出して比較した一覧表を見てみましょう。
国・地域 失敗率 国・地域 失敗率 国・地域 失敗率 カナダ 0.0% デンマーク 1.2% 南アフリカ 2.5% オーストラリア 3.7% 米国 3.7% 世界市場 6.2% 英国 6.2% スウェーデン 12.3% オランダ 19.8% スイス 23.5% アイルランド 28.4% フィンランド 34.6% 日本 37.0% ノルウェー 37.0% スペイン 40.7% ドイツ 49.4% ベルギー 50.6% フランス 56.8% イタリア 64.2% ニュージーランド 0.0% 19カ国平均 26.4%
世界市場の失敗率6.2%は、19カ国平均(26.4%)の4分の1近くまで低い水準です。19カ国+世界市場の合計20項目のうち、上から7番目(英国と同率)という、極めて優秀なポジションにいます。

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